東京都の小池百合子知事は16日、都内外の私立高校に通う都内在住の生徒の授業料について、世帯年収760万円未満の家庭を対象に実質的に無償化する方針を明らかにした。国の制度に加え、都独自の特別奨学金を拡充し、都内の私立高校の平均授業料に相当する年44万2千円を支給する
学校教育での「部活動」 ――近年、中学・高校の部活動が「やらなければならないもの」という“強制”の色を帯びているようです。本来は「やりたい人がやるもの」ですよね。今、学校教育で、部活動はどのように位置付けられているんですか? 当初は志をもった先生たちの自主的な取り組みとして設計されていたんですが、学校週5日制導入に向けて1989年に学習指導要領が改訂されたとき、“クラブ活動の代替”という位置づけになったんです。それによって事実上カリキュラム内に入り、“必修”に近い形になってしまいました。 今の学習指導要領には、「部活動と教育課程の関連を図る」といったことが書かれているんですが、これもなんだかはっきりしません。部活動は、“制度”と“現実”のあいだのグレーゾーンに置かれたまま、矛盾が膨らんでいるという状態です。 ――そもそもの位置付けがはっきりしないことが、原因なのですね。 あともうひとつ背景
大津市でのいじめ自殺、大阪市立桜宮高校でバスケットボール部のキャプテンの体罰自殺など、一連の事件は日本の学校教育システムそのものがいま制度疲労の限界に達していることを示している。 機械が壊れるときは、金属部品もプラスチックもICもすべてが同時に劣化する。それに似ている。学校教育にかかわるすべてが一斉に機能不全に陥っている。 これを特定のパーツを取り替えれば済むと考えている人は「どこが悪いのか?」という「患部」を特定する問いを立てようとする。だが、それは無駄なことだ。日本の学校制度はもう局所的な手直しで片付くレベルにはない。 「日本の学校制度のどこが悪いのでしょうか」と訊かれるならば、「全部悪い」と答えるほかない。 けれども、学校教育は「全部悪い」からといって、「全部取り替える」ことができない。自動車なら、新車が納車されるまで、バスで通う、電車で通うという代替手段があるが、学校にはない。新し
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