前回は山室寛之さんの前著となる「野球と戦争」を紹介しました。 こちらは第二次世界大戦、戦前戦中の野球の勃興と発展、高校野球・大学野球がいかに人気を集めたか、いかにプロ野球が興ったのか、そして戦争が近付くにつれまた戦争に突入していく中でいかに野球が制限され禁止されていったのか。また、どれだけ多くの野球人が戦争の中で命を落としたのか。そのあたりの高揚感や苦闘について、証言や資料を基に検証し構成したというのが前著でした。 それに続くこの「プロ野球復興史」は戦争直後、つまり日本が敗れ戦争が終わりアメリカ軍に占領され、すべての事柄がGHQの判断の下で決定され行われるそんな時代に、困窮する国民と同様にプロ野球選手でさえ今日の食事にままならない中で、「国民に勇気を与える」という志の下、監督・選手自ら畑を耕し食料を調達しながら興行を行う、まさにプロ野球の復興を描いたドキュメンタリです。 プロ野球草創期から