タグ

bookと社会に関するnobodyplaceのブックマーク (5)

  • 【読書感想文】 山室 寛之 / プロ野球復興史

    前回は山室寛之さんの前著となる「野球と戦争」を紹介しました。 こちらは第二次世界大戦、戦前戦中の野球の勃興と発展、高校野球・大学野球がいかに人気を集めたか、いかにプロ野球が興ったのか、そして戦争が近付くにつれまた戦争に突入していく中でいかに野球が制限され禁止されていったのか。また、どれだけ多くの野球人が戦争の中で命を落としたのか。そのあたりの高揚感や苦闘について、証言や資料を基に検証し構成したというのが前著でした。 それに続くこの「プロ野球復興史」は戦争直後、つまり日が敗れ戦争が終わりアメリカ軍に占領され、すべての事柄がGHQの判断の下で決定され行われるそんな時代に、困窮する国民と同様にプロ野球選手でさえ今日の事にままならない中で、「国民に勇気を与える」という志の下、監督・選手自ら畑を耕し料を調達しながら興行を行う、まさにプロ野球の復興を描いたドキュメンタリです。 プロ野球草創期から

    【読書感想文】 山室 寛之 / プロ野球復興史
  • 【読書感想文】 山室 寛之 / 野球と戦争

    著者の山室寛之さんは元読売ジャイアンツ球団代表で任期は1998年から2001年。当時の僕はまだジャイアンツファンだったこともあり(今は「どちらかというとソフトバンク」くらいの割とフラットな感じ)、「山室寛之」という名前をとても良く覚えています。その一方で、読売ジャイアンツの「球団代表」という職は基的に読売新聞社の1ポストであって、そのポストに座る人は野球にはなんの関心もないただの飾りだろうと考えていたので、書を読んでとても驚きました。山室さんにとってプロ野球が、その歴史を記録していくことがライフワークであり、野球というスポーツに深い愛を感じてらっしゃるとは。当に申し訳ありませんでした。 書を買った理由はとても単純で、Number誌の書評コーナーで紹介されていたから。 Webでもこちらから読むことが出来ます。 元巨人球団代表が描いた、プロ野球の大動乱時代。~著者が語る『プロ野球復興史

  • 【読書感想文】 宮部みゆき / 火車

    最近の家計とか財政ネタ繋がりで紹介されていたので読んでみた、宮部みゆきさんのミステリ。地味に宮部さんのを読むのは初めてかも知れない。そうかーミステリ作家だったのか。もちろん名前は知ってたんですけども。凄いメジャーな日人作家のって、ファンじゃない限りあんまり読もうと思わないのは何でなんだろ。多分僕が天の邪鬼なだけだとは思いますが。 書の主人公は怪我で休職中の刑事。奥さんを交通事故で亡くして息子と2人暮らし。 話の中心になるのは、消費者金融によって人生を狂わされた女性。書かれた当時はまだグレーゾーンは生きていて、過払い請求もなく、まだまだ消費者金融が元気だったころ。作中で紹介されている売り上げデータや、借金が嵩んでいく描写が非常にリアルで特に怖い。「キャッシングを始めたきっかけが誤って銀行のキャッシュカードを逆に入れたこと」とか(今どきのキャッシュカードはキャッシュカードとローンと両方

  • 【読書感想文】 須田 慎一郎 / 下流喰い―消費者金融の実態

    下流喰いを読んだっす。 書は、消費者金融およびヤミ金融の状況とそれを利用する人たちの実態を細かな取材に基づいて明らかにしたもので、外側から見る業界の印象と中身の凄惨さのギャップが非常に印象的。こちらのエントリで参考文献としてあげられていたので読んでみた次第です。 改正貸金業法について – Chikirinの日記 出版は2006年9月で新書としては若干賞味期限切れかなという感じはするけれども、現在の状況も「下流い」とさほど変わらないことを考えると、この手の問題の基礎知識としては「読んでおくべき」と今でも言えるのではないかと思います。 個人的に非常に怖かったのは、数字上はさほど変わらないように見える金利の差によって「元が減らない」という状況が現出すると言う事実。2010年現在は貸金業法が改正されたために金利は年20%まで(貸付金額により15-20%)と規制されていますが、それ以前は最高

    【読書感想文】 須田 慎一郎 / 下流喰い―消費者金融の実態
  • 【読書感想文】 湊 かなえ / 告白

    松たか子主演の映画も話題になった「告白」を読んだっす。 読後の一番最初の感想。 人間ってなんていい加減なんだろう。 なんでしょう。正直に言うと「よくわからない」です。 こう、なんていうのか…でも映画でももしかすると実生活でもそうかも知れませんけど、自分に入ってくる情報は限定的で偏っているわけです。このは主にモノローグとして構成されていて、章ごとに視点と語る人間が変わります。起きたことは1つであるはずなのですが、視点や語る人間が変わるとそれの見え方が全然変わります。小説ですから(当は現実社会でもみんなそうなのですけど)、誰が悪いのか?を考えながら読むのですが文章に当たるたびに前章の結論が覆され、ぐるぐる回って最後はわからない。「少年A」は凶悪な犯罪者のようにも見えるし、ただの中二病にも見えるし、屈折したマザコン野郎にも見えます。主人公も同じ。 物語は最終的に落語の落ちようなきっちりとし

    【読書感想文】 湊 かなえ / 告白
  • 1