ブックオフの新書コーナーでたまたま手にとって購入したのだけど、存外面白かったので。 子供の頃に「法隆寺の謎」と言う本を読んだことがあって。今で言う新書なんだろうけど、歴史学者の人が書いたどちらかというとロマンチックな歴史本で、かなり面白かった。本書を手に取った理由は、その本と名前が似ていたからと言う以上の理由はないのですけど、実際に読み始めてみたら著者が東寺の人であることがわかって、「あーこれはもしかして宗教的な本なのか…」と少し残念に思いつつ読み進めてみたらば。 いや、全然そんなことはなかった。 もしかするとそう思われることを危惧されていたのかも知れないけれども、全体を通して宗教的な理不尽さ(「奇跡」といった理屈の無いような表現)は一切無く、あくまで文献資料に当たった上での客観的な歴史の記述になっていて、非常に面白い。「謎」部分で言えば実際問題そう大した謎はなかったけれども、いや、796