本書は、これまで無条件で「正しい」とみなされてきた事象(「地産地消」「無農薬栽培」「有機農業」など)や、同じく無条件で「間違っている」とみなされてきた事象(「化学肥料」「農薬」「遺伝子組み換え技術」など)について、実際のデータを上げながら再検討を行い、必ずしも一般の印象が正しいとは言えないということを示した本である。内容は当然のことながら主観と客観が一定の割合でブレンドされているため、完全に信用して良いとまで言えないものの、自分がなんの検討もなく受け入れていた「正しさ」を見直すきっかけとしては非常に役に立つ良書だと思う。 本書で扱う領域は非常に多岐にわたるため、それについて一貫した感想を書くのは難しいのだけど、著者が本書で何を伝えようとしてるかは序章である「地産地消は環境にやさしくない?」にまとめられているのでそこから引用したい。 輸送といっても、大量の化石燃料を消費する航空機で運ぶのと、