1億円あまりの借金を抱える中小企業 「どうにかコロナ禍で生き残ることができてホッとしているが、これから先のことを考えると憂鬱で……」 東京都内で中小企業を営む60代の男性はこのようにつぶやいた。この男性の会社は、従業員15人程度。新型コロナウイルスの蔓延によって業績が落ち込み、持続化給付金や雇用調整助成金などありとあらゆる支援策に申し込み、急場をしのいできた。 だが感染拡大は一向に収まらず、支援策だけでは到底間に合わない。そこで日本政策金融公庫やメインバンクとしている信用金庫などから実質無利子・無担保融資、いわゆる「ゼロゼロ融資」を受けたほか、低利子の融資も限度まで借りざるを得なくなった。 その結果、どうにか社員の首を切ることなく、会社を維持できているものの、負債は1億円を突破してしまう。男性は「コロナ禍において返済のことなど考えている暇はなく、その日を乗り切ることで精一杯だった。だが、い