9日をもって知事の座を退いた川勝平太氏(75)は同日午後、職員に見送られながら県庁を後にした。絶大な民意に支えられて築き上げた4期15年の「川勝王国」。その崩壊を招いた要因もまた、自らの失言に向けられた民意だった。過去の得票データなどから川勝氏の勝因を探り、知事選のこれまでとこれからを考えた。【最上和喜、丹野恒一、田中綾乃】 川勝氏の知事選の市町別得票率を小数点以下切り捨てで次点候補と比較(政令市は区ごとに比較)し、その差に応じて「圧勝」(プラス20ポイント以上)▽「優勢」(プラス19~6ポイント)▽「接戦」(プラス5~マイナス5ポイント)▽「劣勢・惨敗」(マイナス6ポイント以下)――に大別した。 「西部」劇? 初当選を果たした2009年は4氏による激戦が展開され、民主党など野党推薦の川勝氏が、自民・公明両党が推薦する元副知事の坂本由紀子氏を僅差でかわして勝利した。県政で目立った争点は乏し