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  • 『呪術廻戦』は「漫画を描くときにやってはいけない」をやっているのに売れているからすごい

    こりま @korimakorima 呪術廻戦は本当に面白い作品で、「状況は絵と演出で魅せろ。セリフに頼るな。長々としたセリフで設定を説明させてはいけない」「急に出てきたキャラクターに問題を解決させるな」など、漫画編集者や漫画家が記す「マンガを描くときこれだけはやってはいけないこと」を大体やってる。 2023-03-05 15:51:49 こりま @korimakorima 売れるマンガを描きたいときに守るべき法則を破り、絶対やっちゃいけないはずの描き方をして日本一、つまり世界で一番売れたマンガになった。一時的に絶対王者ワンピの売上すら超えてしまった。 2023-03-05 15:53:26 こりま @korimakorima 呪術が教えてくれること:本やネットにあるhow toは所詮「へ~~なるほど!」と思わせるだけのもので「へ~なるほど」に留まる。何がウケるのかは誰にもわからない。おれた

      『呪術廻戦』は「漫画を描くときにやってはいけない」をやっているのに売れているからすごい
    • 藤本タツキ「チェンソーマン」の魅力と「ルックバック」評 - フロイドの狂気日記

      デザイン盗作・「ルックバック」の藤本タツキは天才ではない。あるいは少年ジャンプの才能枯渇問題 - フロイドの狂気日記 集英社作家の「オマージュ宣言」はアイデア収奪の正当化 - フロイドの狂気日記 id:lady_joker氏への手斧。あるいは天才・藤本タツキとエンブレム佐野の違いについて - フロイドの狂気日記 藤本タツキ「チェンソーマン」と一部に読み切り「ルックバック」について語る。本当は語ることはなかったんだけど、藤本タツキ天才論を否定しているだけなのに、作品全部を否定していると感じられたっぽいので、ちゃんと魅力について言語化してみようと思う。ファイアパンチは1巻しか読んでない。 ちなみに冒頭のエントリlady_joker氏への手斧では、ほとんど全て「チェンソーマン」主人公デンジのセリフや口調を改変して記事ができている。にもかかわらず、1人以外に指摘した人がいなくて悲しい。藤本タツキは

        藤本タツキ「チェンソーマン」の魅力と「ルックバック」評 - フロイドの狂気日記
      • 【コラム】「どうぶつの森」は、変わらないために変わらなければならない

        世界中の人々が『あつまれ どうぶつの森』に癒やされているこのタイミングで、少し野暮なことを言うようだけど、僕はそろそろこのシリーズに生まれ変わってほしいと思っている。 まず最初に、僕も癒やされている一人であるということを言っておこう。3月20日の発売からすでに60時間以上遊んでおり、今年最も楽しく遊んでいるゲームのベスト3には間違いなく入る。それに、外の世界との交流が著しく制限されている今、『あつまれ どうぶつの森』はとても大切なことを教えてくれる、かけがえのないゲームだと思っている。 何も、『あつまれ どうぶつの森』が過去作とまったく同じゲームだと言うつもりはないし、新要素を無視しているわけでもない。外に家具を置けるようになったというだけで世界は広がるし、DIYレシピで様々なアイテムを自分で作れる遊びや、河川工事や崖工事で島の形まで弄れるようになったオプションも過去作になかった自由度だ。

          【コラム】「どうぶつの森」は、変わらないために変わらなければならない
        • 水星の魔女はヘイトタンクの作り方が悪質だった

          御曹司のグエルがやたら視聴者に持ち上げられる脚本になっていて (それこそスレッタが落ち込んで行動不能になるのを繰り返していた2期中盤などは、グエルこそが真の主人公だ!貴種流離譚だ!なんて言われていた)、 戦災孤児から実力で成り上がったシャディクや、愛人の子で母親に捨てられたラウダなど、 弱者性を持つキャラクターが視聴者のヘイトタンク化したのも本当に希望がないなと思う。 シャディク ・シャディクが戦災孤児である設定がミオリネのセリフでさらっと明かされ、回想がない。地球でどう育ってきたのかや、アカデミーに拾われて実力で勝ち上がってきたことの詳細などは、何も明かされない。 ・シャディクの思想についての掘り下げが全く行われず、ミオリネに対する恋愛感情の描写ばかりがくどいほど繰り返される。視聴者に「ミオリネに振られたからテロリストになった」と動機を矮小化される始末。 ・テロリストにならずサリウスの後

            水星の魔女はヘイトタンクの作り方が悪質だった
          • 海外の反応【FE風花雪月】PTSD視点からみたエーデルガルト

            『FE風花雪月』に登場するキャラクター、エーデルガルトの「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」の描写について、同じPTSDを抱えた人が投稿して反響を呼んでいましたので翻訳しました。 ※ネタバレを含むので注意。紅花の章をクリアしてから読むことをオススメします。 ※文中に主人公(Byleth)に男女の区別がなかったためベレトスと訳しています。 (以下翻訳) この投稿は、どこが最高の学級か、誰が本当の悪役か、教会が正当化されるかどうか、または風花雪月が発売されてから掲示板で議論されたような内容ではありません。私にとって非常に重要な問題をゲーム内で巧みに処理したライターへ、特別に賞賛の言葉を贈りたく投稿しました。 具体的な詳細な内容については書きませんが、私は組織的で継続的な虐待を数年にわたり受け続けた経験があります。その結果、私は感情的にも身体的にも不自由になり自尊心も破壊されました。このゲーム

              海外の反応【FE風花雪月】PTSD視点からみたエーデルガルト
            • 努力家で優秀なアジア系女性という「人種」ステレオタイプ~『ウォッチメン』分析 - wezzy|ウェジー

              今回の記事では、アマゾン・プライムで配信されているHBOのドラマ『ウォッチメン』をとりあげ、アジア系女性キャラクターの扱いについて考えたいと思います。 このドラマはアラン・ムーアによる同名のコミックのスピンオフで、社会批評的な作品として評価が高く、私も第8話までは大変面白く見ていたのですが、正直なところ第9話の展開でかなり幻滅しました。結末の激しいネタバレがありますので、未見の方は注意してください。 テレビドラマ版『ウォッチメン』と人種差別 『ウォッチメン』は非常に複雑な作品なので基本設定だけ説明します。覆面のスーパーヒーローによる無許可の自警活動が禁止され、そのかわりに警官は身を守るためヒーローばりに覆面をつけて活動をしているアメリカ社会が舞台のディストピア作品です。年代としては我々が生きている現在と同じ時期に設定されていますが、世界観が大きく違っており、一種の歴史改変SFです。 その一

                努力家で優秀なアジア系女性という「人種」ステレオタイプ~『ウォッチメン』分析 - wezzy|ウェジー
              • なぜ二郎は“苦悩”しないのか 『風立ちぬ』が描いたものの行方 | 文春オンライン

                宮崎駿監督は、編集者・音楽評論家の渋谷陽一が『風立ちぬ』について「この映画は、戦争が大きなテーマになっているんですけども」と問うたのに対して、「戦争そのものじゃないですけどね。モダニズムですよね」と答えている。この「モダニズム」は『風立ちぬ』を理解する上で重要なキーワードだ。『風立ちぬ』は「モダニズム」を接点にして、『坂の上の雲』(司馬遼太郎)や宮崎自身の監督作である『もののけ姫』と繋がっている。 「目の前に果てしない道が開けたような気がします」 『風立ちぬ』は零戦を設計したことで知られる設計技師・堀越二郎にインスパイアされた作品だ。本作の主人公・堀越二郎は、実在の人物と同じく軍用機開発に携わってはいるものの、その人生には小説家の堀辰雄の小説のモチーフが組み入れられている。堀は堀越と同時期に東京帝国大学に在学していた同時代人である。 『風立ちぬ』は、結核で婚約者を失うという展開とタイトルを

                  なぜ二郎は“苦悩”しないのか 『風立ちぬ』が描いたものの行方 | 文春オンライン
                • 「君たちはどう生きるか」に込めた宮崎駿の暗号(小原篤のアニマゲ丼):朝日新聞デジタル

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                    「君たちはどう生きるか」に込めた宮崎駿の暗号(小原篤のアニマゲ丼):朝日新聞デジタル
                  • 『鬼滅の刃』が若者の命を軽視する一方、重視しているものは一体何か(堀 有伸) @gendai_biz

                    『鬼滅の刃』を語るということ 『鬼滅の刃』については、もはやその内容を紹介する必要すらないかもしれない。 上映中の映画は『千と千尋の神隠し』を抜いて歴代興行収入ランキングのトップとなるのは確実視されているし、その勢いにあやかろうとするコラボグッズも巷に溢れている。 かくいう私も『鬼滅の刃』のことは、自分のクリニックに通っていた高校生に教えてもらってから大好きになってしまい、最後の方には単行本が発売されるの楽しみにして、毎回Kindleで購入して全巻を読破した。 一時期は仕事でつらいことがあると、狭霧山で岩を切る修行をしていた炭治郎のことを思い出して自分を励ましていた程だった。 当然、自分なりの視点から『鬼滅の刃』についての解釈をいろいろと考えていたのだが、気が付くと高名な精神科医を含む何人もの方々が、大変に深く興味深い考察を発表されていた。 そこに付け加える意味がある文章を書けるのかという

                      『鬼滅の刃』が若者の命を軽視する一方、重視しているものは一体何か(堀 有伸) @gendai_biz
                    • 【考察】ポケモンソード・シールド ムゲンダイナの英名「Eternatus」の意味と剣盾のシナリオ構造について : 記号論研究所 マンガ・アニメ・ゲーム考察

                      ソードシールド第3の伝説ポケモン・ムゲンダイナ。 英名は「Eternatus(永遠)」となっているのですが、 日本ではこれがピンと来なかったようで、 何で無限大が永遠と掛かっているのか?という声を散見しました。 ところが、剣盾の舞台となったイギリス在住の友人に Eternatusの和名が「Infinity(無限大)」である事を伝えると、 すぐにピンと来たそうなのです。 この友人曰く、UK出身の人なら十中八九、 無限=永遠とネーミングされた意味を理解するとの事。 はて、これはどういう事なのか? 言語学者である筆者が、ムゲンダイナに秘められた 剣盾のシナリオ構造について考察していきます。 The Infinite=神様 無限(Infinite)は、有限(finite、終わりの意)に 接頭辞「in」を付けて反対の意味にした、 始まりも終わりもない状態を指す言葉です。 これに定冠詞「the」を付け

                        【考察】ポケモンソード・シールド ムゲンダイナの英名「Eternatus」の意味と剣盾のシナリオ構造について : 記号論研究所 マンガ・アニメ・ゲーム考察
                      • 宗教とアニメを考察『輪るピングドラム』『銀河英雄伝説』『機動戦士Vガンダム』が問いかけるもの(藤津亮太) - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ

                        アニメ作品を軸に社会現象を読み解く「藤津亮太のクイックジャーナル」では「宗教とアニメ」をテーマに、『輪るピングドラム』『銀河英雄伝説』『機動戦士Vガンダム』をピックアップ、現実と不可分の命題を考察する。 架空の宗教団体が登場する作品をピックアップ 宗教が登場するアニメは多い。 まず、伝統宗教から新新宗教、カルトに至るまで、宗教団体が宣伝のためにアニメを作ることは珍しくない。また“いわゆる中世風”のファンタジー作品にも架空の信仰が出てくる場合があるし、ハルマゲドンといった宗教的モチーフを扱った『幻魔大戦』のような作品もある。 変わったところでは百年戦争の時代のフランスを舞台にした『純潔のマリア』。本作には、アニメオリジナルキャラクターとして敬虔で頭脳明晰な修道院長ベルナールが登場する。彼の明晰な頭脳は、主人公である魔女マリアと対話を経た結果、皮肉にも「神を必要としない信仰のあり方」という“異

                          宗教とアニメを考察『輪るピングドラム』『銀河英雄伝説』『機動戦士Vガンダム』が問いかけるもの(藤津亮太) - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ
                        • なぜBLではエロスと感動が「乳化」するのか? - Something Orange

                          原作は紀伊カンナさんの同名マンガ。ひじょうに評価の高い作品ですが、アニメ版もかなりよくできていたと思います。 この手のBLアニメだと、中村明日美子原作の『同級生』が記念碑的な傑作だったのだけれど、それとはまた一風違う方向性で良かった。 ちなみにぼくの友人のてれびんという男は、この『同級生』をBLとは知らずに見に行き、「いつになったら女の子が出て来るのだろう?」と思ったら男同士で結ばれてびっくりしたと語っていました。 アホとしかいいようがないエピソードだけれど、なかなか稀有なサプライズではあったかも。やはり映画はあまり情報を仕入れず見に行くべきものですね(そういう問題か?)。 まあ、それはともかく、最近はBLや百合が高いクオリティで映画化されることも増えて来ていて、なかなか良い時代になったものだと感じます。 そういう映画を見に行くアラフォーのおっさんはあまりいないだろうけれど、ぼくはべつにそ

                            なぜBLではエロスと感動が「乳化」するのか? - Something Orange
                          • なぜ『ガンダム』の指導者はモビルスーツで前線に出たがる?理由はSF設定にアリ | マグミクス

                            『機動戦士ガンダム』では、ドズル、キシリアといった軍の幹部が、モビルアーマーに乗って最前線で戦う姿が見られました。続編の『機動戦士Zガンダム』では、この傾向がより強くなり、エゥーゴ、ティターンズ、アクシズの最終決戦では全勢力の指導者がモビルスーツで戦っていました。要人がなぜ、最前線で戦うのか、考察します。 最前線に出たがる軍の司令官たち アクシズの指導者ハマーン・カーンは、ニュータイプ専用モビルスーツ・キュベレイに搭乗し前線を駆け抜ける。画像はハマーンが表紙に描かれる小説『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム〈第4部〉ザビ家再臨』(KADOKAWA) 人気アニメ『機動戦士ガンダム』と、その派生作品では、モビルスーツやモビルアーマーに搭乗し、自ら最前線で戦う司令官の姿が頻繁に見られます。例えばシャアは一年戦争終盤では大佐の地位にありますが、モビルスーツで出撃します。 現実の軍隊では、大佐は大型軍艦の

                              なぜ『ガンダム』の指導者はモビルスーツで前線に出たがる?理由はSF設定にアリ | マグミクス
                            • 「キムタクが如く」と思われがちな『ロストジャッジメント』はなぜ“ド級の社会派サスペンスゲーム”なのか? 「イジメと私刑」というクソデカ社会問題にメスを入れた同作について考える

                              「キムタクが如く」と思われがちな『ロストジャッジメント』はなぜ“ド級の社会派サスペンスゲーム”なのか? 「イジメと私刑」というクソデカ社会問題にメスを入れた同作について考える 手からビームを放つ姿や人間離れしたダンスシーンだけを見て、「キムタクが如く」などと笑っているのは間違いだ。 なぜなら『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』(以下、『ロストジャッジメント』)は、「イジメ」という、きわめて繊細で、表現の方法論としても困難と言える事象を軸にし、前作よりもさらに踏み込んで「正義」を描くことにチャレンジしたド級の社会派サスペンスゲームだからだ。 これは後述するようにビデオゲームではほぼ真正面から描かれたことのない困難な題材であり、ましてAAA級のタイトルを例に考えればおそらく初の試みだろう。 文/悲野ヒコ 編集/ishigenn 舞台や時代背景を発売年に合わせて形作る、「龍が如くスタジ

                                「キムタクが如く」と思われがちな『ロストジャッジメント』はなぜ“ド級の社会派サスペンスゲーム”なのか? 「イジメと私刑」というクソデカ社会問題にメスを入れた同作について考える
                              • なろうについてのラフスケッチ2|白江幸司

                                なろう作品の大半は、「経済開発初期の夢に没入したい、その段階に参加したい」が露骨なので、現在各所で活発な19世紀の回帰の現れとして考えている — 白江幸司 (@ttt_cellule) May 31, 2020 資源の有限性や環境負荷をめぐる不安を打ち消したり、ゲーム的な簡略性・手頃さを付与するために導入されるのが、ダンジョン設定であり、たいていの無茶はダンジョンの特性が可能にしてくれる。ただし、『異世界のんびり農家』はそれまでのダンジョンものから農地運用にシフトし、区切りとなった。 — 白江幸司 (@ttt_cellule) May 31, 2020 大半の作品には、経済開発の初期の夢への憧れやその参加の渇望があると言ったわけだが、これは大別して、貴族などの統治者か、冒険者か、商人かに分かれる。貴族などは内政や開発しやすく、実行し税収や承認を得ることで別の話にもつながっていく(王との謁見

                                  なろうについてのラフスケッチ2|白江幸司
                                • ブラタモリ、タモリの地学知識がすごいのかと思いきや、応用力がすごいと気付いた

                                  リンク 中日スポーツ・東京中日スポーツ NHK『ブラタモリ』レギュラー放送が今春で終了、ネット「お疲れ様でした」「終わっちゃうの寂しい」の声:中日スポーツ・東京中日スポーツ NHKは14日、タレントのタモリ(78)が全国の町を歩いた人気番組「ブラタモリ」(土曜午後7時30分)について、4月からの来年度はレギ... 52 TORI MIKI/とり・みき @videobird 終了するというブラタモリ、最初の頃は「タモリさんの地学知識はすごい」と思っていたが本質はそういうことではなかった。あれは義務教育で習う理科知識と歴史知識を組み合わせて考えればたいていの地勢の現象は推測できる、ということだったのだなあ、と。つまりタモリさんは応用力がすごいのだった。 2024-02-15 01:24:01

                                    ブラタモリ、タモリの地学知識がすごいのかと思いきや、応用力がすごいと気付いた
                                  • 千葉雅也「失われた時を求めて」を求めて|文化|中央公論.jp

                                    ネオリベラリズムとコロナ、フーコー、そして時間と悪……。『勉強の哲学』『ツイッター哲学』などの著書もある、哲学者・小説家の千葉雅也氏による「時間論」序章。 タバコとコロナ この間あちこちでタバコが吸いにくくなったことを惜しむ発言をしているのだが、昨年の四月以降、屋内原則禁煙になったのは、喫煙者としてはコロナ問題より大きいくらいである。ついに本格的に風景が変わってしまった。歴史に深く漆黒の溝が刻まれたかのようだ。それは禁煙推進、嫌煙の人々にとっては良いというか当然しかるべき変化なのだろうが、僕としては人類の何か貴重なものがついに失われてしまったという暗い感慨に浸らざるをえないのである。 個人的嗜好としての喫煙の肩身が狭くなったというだけではなく、そのことは世の中の全体的な変化と結びついていると僕は考えている。 昨年から我々はコロナ禍にあり、マスクをして飛沫を防ぎ、頻繁に手を洗い、できるだけ接

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                                    • 『呪術廻戦』は「死」をどう描いているか、『鬼滅』『チェンソーマン』との決定的な違い(杉田 俊介) @gendai_biz

                                      ※本稿は『呪術廻戦』のストーリーの核心に触れる部分を含みます。 死を描く『鬼滅』『チェンソー』『呪術』 近年の「週刊少年ジャンプ」で連載されている『鬼滅の刃』、『チェンソーマン』、『呪術廻戦』、『アンデッドアンラック』等々を読んでいると、次のような印象を受けます。 これらの作品は、たしかに、いかにも「ジャンプ」らしい王道のバトルマンガの系譜を引き継いでいます。しかしそこでは、キャラクターたちのおびただしい死が積み重なり、毎号毎号、憂鬱な展開のインフレを競い合っているかのようです。こうした暗鬱な作品たちが「少年誌」と銘打った「ジャンプ」に毎週掲載され、しかもそれが青年や大人だけではなく、小学生たちにも(特に『鬼滅の刃』『呪術廻戦』)共感をもって読まれている現代の世相とは、いったい何なのか。 人間たちが無意味にあっけなく死んでいくのは、自然法則のように当然なことであり、普通のことだ。これらの作

                                        『呪術廻戦』は「死」をどう描いているか、『鬼滅』『チェンソーマン』との決定的な違い(杉田 俊介) @gendai_biz
                                      • 『ファイナルファンタジーVII リメイク』のエンディングでは一体なにが起きたのか?

                                        ※​​​​​本稿には『ファイナルファンタジーVII リメイク』および1997年のオリジナル版『ファイナルファンタジーVII』のネタバレが含まれるので、注意して読んでほしい。 『ファイナルファンタジーVII リメイク(以下、FF7R)』のエンディングは予想外で、ちょっと複雑で、そしてめちゃくちゃメタである。クレジットロールを見終わったばかりで、驚くべき新事実や原作からの変更点にまだ動揺しているのであれば、安心してほしい。動揺しているのはみんな同じだ。 黒い髪のソルジャーは誰なのか? 『FF7R』で残された最大の疑問は、ラストのカットシーンで登場する黒髪のソルジャーについてだ。字幕をオンにしていない人は、そもそも誰なのかもわからないのかもしれない。しかし、字幕では彼の名前が「ザックス」だと明かされている。そう、クラウドの過去の重要キャラクターであるザックス・フェアのことだ。 オリジナルの『ファ

                                          『ファイナルファンタジーVII リメイク』のエンディングでは一体なにが起きたのか?
                                        • 山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社)書評*機能についての不明点と研究態度へのコメント - Lichtung

                                          山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社)は、「本書は、今日のVTuber文化の中で活躍するVTuberの典型的な特徴を抽出し、その特徴をある統一的な観点から体系的に解釈することを試みる著作であ」り(i)、その目論見に従って、全5章にわたりバーチャルYouTuberというアバターをまとった配信者文化についての研究を行うものだ。 本書評は、山野の議論の中核をなすVTuberの定義と、山野の研究態度についての批判を行う。 山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社) https://amzn.to/4aorG8R 「彼女/彼/彼らをVTuberとする!」と私たちは宣言しているのだろうか? 山野は、VTuberをこう定義している。 我々は、「VTuberとしてデビューし、VTuberとして活動状態にあるという条件を満たす任意の配信者が、VTuber文化において「VTuber」という

                                            山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社)書評*機能についての不明点と研究態度へのコメント - Lichtung
                                          • 8月23日公開 映画『二ノ国』レビュー 「アニメと言えど配慮するべきところに手を抜き、障害者差別を感じた今年一番残念な作品」

                                            【文・畑史進】 【ストーリー】 冷静沈着で車椅子のユウ、バスケ部の人気者のハル、ハルの彼女コトナの3人は幼なじみ。ある日、突然襲われたコトナを助けようとしたユウとハルは、現実世界と並行する魔法世界「二ノ国」へ引き込まれる。そこは命がつながった“もう一人の自分”がいる世界。次第にユウはコトナにそっくりなアーシャ姫に惹かれていく。しかし、そこには「コトナの命を救うにはアーシャの命を奪わなければいけない」という残酷なルールがあった――。コトナを救いたいハル。アーシャを守りたいユウ。“大切な人の命”をかけた究極の選択が迫る時、ユウとハルが下した決断とは–? 8月23日に公開の『二ノ国』はレベルファイブの同名のゲーム作品の設定を引き継いでオリジナルストーリーで構成した内容なので、特段事前にゲームの知識がなくても「新しいジブリ作品を観に行く」というような感覚で鑑賞することができる。 世界観も現代日本を

                                            • 『ライブ・ア・ライブ』表現変更の理由と、その狙いを考察してみた : ベガルタとゲームのモトろぐ

                                              『ライブ・ア・ライブ』のリメイクで少なくない演出が修正されていました。「まーた表現規制かよ」と言いたくなるところですが、今回はその修正理由と、修正により期待されている演出効果について考察します。や、理由を考えると「大体こうだろうな」って見通しが立つもので。

                                                『ライブ・ア・ライブ』表現変更の理由と、その狙いを考察してみた : ベガルタとゲームのモトろぐ
                                              • Chain, Saw, and Man──『チェンソーマン』『ルックバック』、虚構と現実と物語の先|ryokikuzaki

                                                藤本タツキ『チェンソーマン』(集英社)の題名は、なんで「チェーンソー」マンではなく「チェンソー」マンなのだろうと以前から思っていた。刃のついた鋸をモーターで回転させ樹を切り倒したり氷の彫刻コンテストをやったりするあの機械はチェンソーという表記をすることもあるし、チェーンソーマンよりチェンソーマンのほうが語呂も良い気もする。しかし、はたして語呂だけの問題なのだろうか。 単行本を読み返すと、そこに書かれた英字での表記はChainsaw manでもChainsaw-manでもなくChain saw manで統一されていた。英単語においてはChainsawだけでなくChain sawという表記もあることはある。しかし、ここに置かれた'saw'とは鋸ではなく'see'の過去形「見た」ではないのか。 ジャレド・ダイアモンドによる文明史のノンフィクション本『銃・病原菌・鉄』は、原題が'Guns, Ger

                                                  Chain, Saw, and Man──『チェンソーマン』『ルックバック』、虚構と現実と物語の先|ryokikuzaki
                                                • ブギーポップは流行らない……(人の痛みについて)

                                                  おいィ? どうして流行らないのかと言うと、例えば新しく作られたアニメが古株イラストレーターとの折衝で揉めてグダグダなスタートを切った辺りで既に炎上してたりしたこととか、むべなるかな、その後のアニメの展開もイマイチブギーポップの魅力を伝えているとは考えられない展開が続いて、あんまりインパクトを与えずに実質的なアニメ二期が終了してしまったこととかに問題があった気がする。とは言え十話を筆頭に面白い回もなくはなかったんだけどね……アニメ陣営の努力は認めるんだけど。 でもとりあえず第一作の『ブギーポップは笑わない』から第十作の『ジンクスショップへようこそ!』までは個人的に安心しておすすめできる作品である。是非皆さんも読んでほしいんだけど、個人的に特にオススメなのは第二作の『vsイマジネーター』と第五作の『夜明けのブギーポップ』。第六作の『ペパーミントの魔術師』それから第七作『エンブリオ侵食・炎生』辺

                                                    ブギーポップは流行らない……(人の痛みについて)
                                                  • 「ぜんぜんわからない。私は雰囲気でファイブスター物語を読んでいる」|ちゆ12歳

                                                    今日は、購読者様からのご質問にお答えします。 質問ですが、ファイブスター物語は読んでおられるでしょうか。もし読んでおられて気が向いたら感想・解説をお願いします。特にダグラス・カイエンについてできれば。……あう、非常に難しいお題が来てしまいました。 正直なところ、「感想」はまだしも、「解説」は無理です。 だいたいこんな感じです。 正直、これでこの話は終わりなのですが……。 以下、思うことを書いてみますけど、全部蛇足ですね。 『ファイブスター物語』概要『ファイブスター物語』はメジャーな作品ですが、よく知らない方も多いと思うので、簡単にご説明します。 基本的には、『ニュータイプ』というアニメ雑誌で長期連載している漫画です。 休載が多いのですが、スタートは1986年で、現在も連載中。いちおう、今年で連載34年目ということになります。 作者は、永野護先生。 1984年のテレビアニメ『重戦機エルガイム

                                                      「ぜんぜんわからない。私は雰囲気でファイブスター物語を読んでいる」|ちゆ12歳
                                                    • ミニゲームに物語性を加えることで得られるコク - ABAの日誌

                                                      自作ライブラリcrisp-game-libを使ったミニゲーム作りは、まだ継続して行っている。 そんな中、最近作ったゲームの評判が良かった。 タイミングよくトラックにひかれて異世界転生して両方の世界のダイヤを逃さず集めよう https://t.co/OpNsgnQWOC pic.twitter.com/UMiA4PRrXD— ABA (@abagames) 2021年6月16日 評判が良かった理由は、 このゲーム性を「異世界転生」に結びつける説明文で世界観をユーザーの頭に生じさせるセンスがすごい https://t.co/tmGYmJPTCC— てっちゃん@ぐだぐだ (@tkatsuta) 2021年6月16日 死と転生のメタファーなのを没入して忘れ、思い出し、その不謹慎な状態の自分を俯瞰する瞬間がゲームオーバーで訪れるのが面白い。そして没入感をプレイリズムとSEで自分が楽器になったみたいな

                                                        ミニゲームに物語性を加えることで得られるコク - ABAの日誌
                                                      • 『アクトレイザー・ルネサンス』が教えてくれる「古いゲームを現代に蘇らせる難しさ」

                                                        ゲームの歴史が長くなるにつれて増えているのがリメイクやリマスターだ。過去の作品を現代に蘇らせる行為は往年のプレイヤーに喜ばれると同時に、怨嗟の声を引き寄せるケースもある。 再生や復活は難しい。何かが時を経て蘇ったとして、それは待っていた人たちの思い出や理想を超えられるか? 時代に置いていかれた作品を本当に現代へ持ってこれるのか? もしかすると、それはゾンビになっていないか。 スクウェア・エニックスとソニックパワードが開発した『アクトレイザー・ルネサンス』もまた、円満なリメイクとは言い難いゲームになっていた。 原作をリスペクトしているのに、原作と離れてしまう 『アクトレイザー・ルネサンス』は、1990年にスーパーファミコンで発売された『アクトレイザー』をリメイクした作品である(公式はリマスターと表記しているのだが、内容的にはリメイクといったほうがよい。この記事では以降もリメイクとする)。 本

                                                          『アクトレイザー・ルネサンス』が教えてくれる「古いゲームを現代に蘇らせる難しさ」
                                                        • 機動戦士Vガンダムの最後のウッソとクロノクルの会話について大人になってやっと理解できた(気がする)|MRST-544-R4

                                                          2019/3/4:最後の段落を追記 私がガンダムを見始めたのは何歳か覚えていません。親が言うにはアンパンマンの次にはガンダムのおもちゃを持って遊んでいたそうですが。 私は1980年半ば生まれのため、第1次ブームが完全に沈静化した後の子供でした。そんな私にとって初めてリアルタイムでみたのが1993年に放映された「機動戦士Vガンダム」。今も覚えていますが、当時小学生だった私のクラスメートは誰一人見ておらず、ただひとり毎週見ているぐらい、同世代には人気がありませんでした(笑)。 機動戦士Vガンダムといえばよく悪女と言われるカテジナさんや、ギロチンだの処刑人だの、「母さんです」という超トラウマシーンだの色々語れるところがあるのですが、(個人的に特に一番好きな話は、と聞かれると39話~40話のマチス隊との闘いだったりします)今回は、Vガンダムの主人公、ウッソとそのライバル格として物語の最初から登場し

                                                            機動戦士Vガンダムの最後のウッソとクロノクルの会話について大人になってやっと理解できた(気がする)|MRST-544-R4
                                                          • 『ジョジョの奇妙な冒険』で、DIOは宝くじの特等に当たる並の幸運を"幸運"と思えなかったことが不幸の全てだった?→ガチ考察が集まる

                                                            Af @Sz73B 元々下層階級の出身であるにも関わらず偶然に上流階級の家族に迎えられ、しかもその家族は差別意識が異常なほど希薄で実子並みの待遇を受け、大学で学位まで取らせてもらって当時のイギリスでは宝くじの特等に当たる並みの幸運を享受しながら、それを幸運と思えなかったのがDIOの不幸の全てだった。 2021-12-05 15:18:26 Af @Sz73B 自分の父親を憎んで殺したことが、結局後になって義父に対しても同じことをする動機になったろうし、それが人間としてのDIOの破滅に直結したので、父親との確執があらゆる幸運をダメにした。 2021-12-05 15:22:17 Af @Sz73B 下層階級出身の悲しさで、自分が持っているものを当たり前とは考えられず、力ずくで手にしてないといつ奪われるか分からないという強迫観念に囚われてて、義父のことも誰のことも結局は信用出来なかった。それが

                                                              『ジョジョの奇妙な冒険』で、DIOは宝くじの特等に当たる並の幸運を"幸運"と思えなかったことが不幸の全てだった?→ガチ考察が集まる
                                                            • 「フィクション」は人を救えるのか? タコピーは子供たちをハッピーに出来るのか? 『タコピーの原罪』を通して考える

                                                              ※この文章は『タコピーの原罪』、『キスしたい男』、『ヒーローコンプレックス』などタイザン5作品全般のネタバレを含みます。 2021年12月10日に、少年ジャンプ+にて第一話が発表されるや否や大反響を巻き起こし、2022年3月25日に公開された最終回に至るまで、毎週最新話が公開されるたびにTwitterのトレンドワード入りするなど、今年上半期で最も話題を呼んだ漫画作品、それが『タコピーの原罪』である。 (画像は少年ジャンプ+『タコピーの原罪』より) 先日発表された「このマンガがすごい! 2023」のオトコ編でも3位にランクインし、ドワンゴ主催の「ネット流行語100 2022」でも2位にランクするなど2022年を代表する作品であることは間違いないだろう。 なぜまだまだキャリアの浅い新人漫画家の初連載作品にすぎない『タコピーの原罪』がここまで大きな反響を呼んだのだろうか。掲載されている少年ジャン

                                                                「フィクション」は人を救えるのか? タコピーは子供たちをハッピーに出来るのか? 『タコピーの原罪』を通して考える
                                                              • 『アナ雪2』と『ナウシカ』の一致に見る、「フェミニズム以後の時代」が抱える問題点 | 文春オンライン

                                                                『アナと雪の女王』の社会現象的なヒットから早6年。続編の『アナと雪の女王2』が公開された。 「全てを解き放て!(Let it go!)」という力強い、フェミニズム的でもあった呼びかけが私たちの心をつかんだ前作の続編は、何を見せてくれるのか、期待に胸をはずませて劇場に足を運んだ。 しかし、私は何か釈然としない気持ちをかかえたまま劇場を後にしたことを告白せねばならない。エンターテインメントとしてつまらないということではない。『アナ雪2』は、『アナ雪』が積み残した問題から目をそらし、別の解決を提示していないか。悪く言えば真の問題をごまかしたのではないか、と感じられたのだ。 どういうことか。結論からのべておこう。『アナ雪2』は、確かにもうひとつの「フェミニズム的物語」となっている。それは広い意味でのエコロジカル・フェミニズム(エコフェミニズム)の物語である。 だが、それは白人中産階級的なフェミニズ

                                                                  『アナ雪2』と『ナウシカ』の一致に見る、「フェミニズム以後の時代」が抱える問題点 | 文春オンライン
                                                                • タクティクスオウガ⑭ ウォーレンレポートから読み解く1章その2

                                                                  タルムード翻訳中。少々時間かかりそう……まあ多分少なくとも数年くらいは必要かなと(笑)解説書より本体を丸ごと読むんだよと思っていたものの、解説書をかじる方が賢明かもしれません。 300円くらいの安いやつ読書してみては。読書のすすめ。 どっかではセリエについて書くとか書いてましたが、まだまだ1章から出られそうにありません笑 平にご容赦ということで、昨日の続編です。 ③昨日からの流れだが、ゴリアテからアルモリカ城までの期間にこの記事も見ることが可能である。 これが意味しているのは、ゼノビアからきた外国人が港町ゴリアテを訪れたインパクトはとてつもなく大きかったということである。珍しい外国人が来たというインパクトもあってか、来た即日に「先頃」という表現でニュースに上がってくる、言ってみれば号外とかニュース速報レベルの伝わり方をしたということである。 これによって、ウォルスタを下手に扱えばゼノビアも

                                                                    タクティクスオウガ⑭ ウォーレンレポートから読み解く1章その2
                                                                  • 無職転生はなぜ「俺たちの1位」であるのか

                                                                    anond:20210118194110 「無職転生」を俺たちの1位と評したのは、リゼロの作者だが、これは単に、「無職転生」が長らく累計ランキングで1位を保持したからではない。他作品のアニメ化に伴い、今は5位あたりに下がっているが、それでも「俺たちの1位」なのだ。その理由は小説書きとしてはかなりオーソドックスなものであり、単純に「出来が良く」「人間をきちんと描けているから」だ。つまり、文学作品として抜きんでているから、小説家であるならば自然と頭が下がるのであって、消費財的なニュアンスがライトノヴェルと言う言葉にあるのであれば、「無職転生」はフォーマットこそライトノヴェルだが、本質的にはライトノヴェルではない。従って諸々の要素が、その後のライトノヴェルの派生において起源に位置づけられると言うこともそもそもあり得ない。フォーマット的に共通する部分があるとしてもその質と意味がまったく異なるからだ

                                                                      無職転生はなぜ「俺たちの1位」であるのか
                                                                    • 削除から考える文芸時評の倫理

                                                                      月評の文章が削除される 今年から文藝春秋の文芸誌『文學界』で「新人小説月評」を担当している。純文学世界に精通してない方に少しシステムを説明しておくと、『文學界』編集部がセレクトした新人、具体的には芥川賞をまだとっていない純文学作家の小説を、いいとか悪いとか、評していくという仕事だ。文芸時評自体は、前年に週刊紙『読書人』で一年間担当していたこともあって個人的には去年の勢いのままつづいている感もあるが、原稿料や編集者の姿勢といったこまごました違いがそこそこ興味深い。 さて、そんな月評だが、2月5日発売の『文學界』3月号の拙文の末尾「岸政彦『大阪の西は全部海』(新潮)に関しては、そういうのは川上未映子に任せておけばいいでしょ、と思った。」(p.307)が編集部によって削除されるという事件が発生した。 以下、本誌と削除される前のゲラ状態の末尾部分を添付しておく(左:本誌、右:最終ゲラ)。 検閲とは

                                                                        削除から考える文芸時評の倫理
                                                                      • 磐樹炙弦 『ウィッチ・フェミニズム──現代魔女運動の系譜』 #01 序論「"私たちのフェミニズム"の耐えられない軽さ」 | HAGAZINE

                                                                        20世紀後半の第二波フェミニズムから21世紀初頭の第三波フェミニズムのうねりにおいて、如何にしてフェミニストと魔女たちの共謀がとりなされたか。その年代記を現代魔術研究者の磐樹炙弦が紐解く。 エマ・ワトソン、グレタ・トゥーンベリ、ひろゆき 2020年2月7日、ハフィントンポスト日本語版に掲載された記事「ひろゆきさん、どうして『今の日本では“フェミニズム”って言葉を使わないほうがいい』のですか?」と、続くハッシュタグ #私たちのフェミニズム での炎上は、日本語圏における「フェミニズム」を取り囲む状況について、改めて考えさせられるものであった。 https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5e3cb7f5c5b6b70886fd0627 件の記事では、「今の日本」で「フェミニズム」という「言葉」が如何に扱われているかを明らかにするため、敢えて専門家で

                                                                          磐樹炙弦 『ウィッチ・フェミニズム──現代魔女運動の系譜』 #01 序論「"私たちのフェミニズム"の耐えられない軽さ」 | HAGAZINE
                                                                        • 「異世界転移もの」は物語の最後に元の世界に戻って来なければならないのか?

                                                                          半端オタクなトオル @tohruhannpa @bomber_bookworm 読者視点で日本が帰りやすい魅力があるかというのが有りそうな気がします 平成初期の頃のレイアースやふしぎ遊戯、エルフを狩る者のように、主人公達は日本に帰って~するんだ、日本で~が待ってるみたいな流れでしたが 近年は日本に帰っても誰もいないしロクな事が無いからこっちで…… 2022-07-12 13:33:04 半端オタクなトオル @tohruhannpa @bomber_bookworm ただ、あの頃の作品で、異世界で恋仲になった相手や人間関係をどうするのかでもやもやし 結局都合よく行き来できるように成ってたり、恋人が日本にやって来たりとしてましたから 個人的にはレイアース1期ラストの、向こうに残してきたやりきれなさみたいなのの、反動が当時子供の世代に有ったのではと 2022-07-12 13:36:22

                                                                            「異世界転移もの」は物語の最後に元の世界に戻って来なければならないのか?
                                                                          • 創造主の挫折、砕けた世界の欠片―—宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』感想 - 宇宙、日本、練馬

                                                                            宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』をみました。以下、感想。 暗闇の都市に、鳴り響くサイレン。病院で火災が起こったという。飛び起きる少年。少年の母は病院に勤めていた。少年は火災によって熱されゆらめく大気のなかを走る。母は亡くなる。 母の死後、いやます戦禍を逃れ、少年と父は東京から去る。去った先は亡き母の実家。どうやら父は、母の妹と再婚しようとしているようだ。古めかしい田舎の大屋敷で、継母と、年老いた女中たちとの暮らしが始まる。大屋敷には、母の大叔父が建てたという奇怪な塔の廃墟があった。大叔父はそこで消息を絶ったという。炎にまかれる母の幻影にうなされ、そして夢かうつつか、不気味に語りかけてくるアオサギにつきまとわれる少年。そして継母が塔に誘われ神隠しにあい、少年は継母をさがして塔のなかへと足を踏み入れる。そこはまったく見知らぬ、黄泉の国にも似た世界へと通じていた。 公開日当日まで、ポスタービジ

                                                                              創造主の挫折、砕けた世界の欠片―—宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』感想 - 宇宙、日本、練馬
                                                                            • 誰でも書ける! アニメ批評っぽい文章の書き方 - てらまっとのアニメ批評ブログ

                                                                              いまの時代、「批評」という言葉に良い印象を持っている人は少ないかもしれません。とくにネットの一部では「何も作れないくせに文句ばかりつけやがって……」と親の敵のように憎まれています。実際、批評には間違いなくそういう側面があるので、嫌われるのもいたしかたないのですが、いざ自分で書いてみると意外と楽しいものです。もしかしたら批評嫌いの人のなかにも、「べ、別に批評なんて興味ないんだからねっ!(私もちょっと書いてみたいけど、どうやって書けばいいかわからないし……)」みたいなツンデレ美少女がいるかもしれません。 そこで本記事では、かれこれ10年くらいブログや同人誌で細々とアニメ批評らしきものを書き続けている批評愛好家のひとりとして、なんとなく批評っぽく見える文章の書き方を紹介したいと思います。ただし、ぼく自身は職業批評家でもなんでもないので、「批評とは何か」「論文や感想文とどこが違うのか」といった本質

                                                                                誰でも書ける! アニメ批評っぽい文章の書き方 - てらまっとのアニメ批評ブログ
                                                                              • 「平家物語」と勧善懲悪の謎(最終回) - jun-jun1965の日記

                                                                                前に出た大塚ひかりには『男は美人の嘘が好き :ひかりと影の平家物語』(一九九九)という著作がある。大塚は、『源氏物語』や『古事記』については鋭い議論を繰り出すが、この『平家』論はあまり鋭くない。女性論を中心としており、文庫化(二〇一二)された際には『女嫌いの平家物語』と改題された。『平家』にはあまり女の活躍がない。木曽義仲の愛妾とされる巴は、出てはくるがちらりとだけで、冒頭の祇王・祇女、仏御前のほかに、印象に残るのは小宰相くらいで、清盛の孫の通盛に恋われてその妻となり、湊川で通盛が戦死したと聞いて泣き伏し、一ノ谷で身投げして死んでしまう。 そもそも通盛の妻となる経緯が、通盛が口説いてもなびかないので、主人の上西門院が脅すようにして通盛のほうへ追いやったという経緯があり、あまり逸話として好きではない。 大塚の著は、今ひとつ私には理解の行き届かないところがあり、友人なんだから訊けばいいのだが、

                                                                                  「平家物語」と勧善懲悪の謎(最終回) - jun-jun1965の日記
                                                                                • スピッツはなぜ「誰からも愛される」のか〜「分裂と絶望」の表現者(伏見 瞬) @gendai_biz

                                                                                  11月14日、NHK紅白歌合戦の出場歌手が発表された。事前にスピッツの初出場が取り沙汰されていたものの、発表リストにその名前はなかった。しかしネット上には落胆の声は少なく、むしろどこか安堵したような書き込みが目立つ。この独特の存在感は何なのだろう。批評家の伏見瞬氏がその独特の魅力を語る。 誰からも嫌われないスピッツ スピッツが20年以上にわたり、日本のポップミュージック界でトップランクの人気を保ち続けてきたバンドであることは誰も否定できないだろう。浮き沈みの激しい世界で生き残り続けてきたこと自体驚嘆に値するけれども、それ以上に驚くべきなのは、彼らが誰からも嫌悪されないバンドになったことではないだろうか。 商業的に成功したミュージシャンの多くは、どうしても一部の音楽好きから軽蔑の念を抱かれがちだ。ブレイクした歌手やバンドが、大衆迎合の低俗な音楽家だと見なされたり、作品自体の質に目を向けない商

                                                                                    スピッツはなぜ「誰からも愛される」のか〜「分裂と絶望」の表現者(伏見 瞬) @gendai_biz