多くの人がこの本を読んでいるわけでもなく、ネット上には意見・感想はおろか予断だけ述べてその予断を検証するつもりも無い人たちがあふれ、読んだ人はこぞって貶すか異国情緒に浸るのが空気であるかのような中、手負いの私がid:umedamochio:20081107:p1に応じて愚直な感想を述べよう。と思ったのだけど、例によって妄想にとり憑かれてしまったのでそのことを書く。それにしても人は、気に食わない意見に出会うとすぐにあらさがしを始めるものである。 たぶん、水村が直観した現実が重要なのは、往々にして人はいま進行している事態を把握できず、それを感じ取るのは芸術家的な直観であることが多いからだろう。なくなってしまってはあとのまつりなんだよと。それで選択肢が1つ消えてしまったら終わりなんだよと、水村はいいたいのだ。よく批判される自己責任論の問題点とは、各人に責任を帰することそのものではなく、選択肢が現