彼は、フリーランスをやっていた。webページ作成等の案件を、知り合いからもらい、悠々と暮らしている。独り身で、いつも同じ服を着ており、いつ働いているかもよくわからない。 「就職しようと思わなかったの?」と聞くと、「オレはお世辞が苦手だから、就職しても会社に馴染めない」と、言う。 彼に、「もっと仕事お願いできない?」と聞くと、「やる気が無いからムリ」と言う。 そんな彼だが、面白いことに彼はいつも幸せそうだった。 「まあ、適当に楽しく生きているよ」というのが彼の口癖であり、いつも飄々としている。 その日は彼にしては珍しく饒舌だった。 「いやー、毎日楽しいよ。」と彼は言う。 「何が?」と切り返すと彼は、 「全部」と言う。 私が怪訝な顔をすると、彼は、ニヤリと笑い、「なんの才能もカネもないやつが、楽しく生きる方法を教えてやる」と言った。 「一つ目。早起きする。」と、彼は言った。 「早起き?」 「朝