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ブックマーク / www.webchikuma.jp (32)

  • 序 「アニメーション監督」としての富野由悠季を語りたい|富野由悠季論|藤津 亮太|webちくま

    機動戦士ガンダム、伝説巨神イデオン、Gのレコンギスタ……。数々の作品を手がけて熱狂的ファンを生み出してやまない富野由悠季とはどんなアニメーション監督か。「演出の技」と「戯作者としての姿勢」の二つの切り口から迫る徹底評論! 書籍化にさきがけて、論の一部を連載します。  (バナーデザイン:山田和寛(nipponia)) アニメーション監督として語るための2つの切り口 アニメーション監督・富野由悠季について考えたい。ここで重要なのは、この言葉で比重がかかっているのは「アニメーション監督」のほうで、決して「富野由悠季」個人のほうではない、ということだ。富野由悠季という「アニメーション監督」は、その存在感の大きさに比して、十分に語られないうちに長い時間が経ってしまった。 富野は、TVや新聞雑誌などマスメディアに登場することが多いアニメーション監督だ。人気者といってもいいだろう。書籍に関しても、批評

    序 「アニメーション監督」としての富野由悠季を語りたい|富野由悠季論|藤津 亮太|webちくま
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    skythief 2024/04/19
  • 久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について 蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第17回を「ちくま」1月号より転載します。昨秋に開催された小津安二郎生誕百二十周年のメモリアル・イベントは、なぜ失望のうちに終わってしまったのか。その二十年前、著者自身も深く関わった生誕百年・没後四十年の記念イベントとの違いを思い起こします。ご覧下さい。 なかには例外的に聡明な個体も混じってはいるが、これからこの文章を書こうとしているわたくし自身もその一員であるところの人類というものは、国籍、性別、年齢の違いにもかかわらず、おしなべて「愚かなもの」であるという経験則を強く意識してからかなりの時間が経っているので、その「愚かさ」にあえて苛立つこともなく晩期高齢者としての生活をおしなべて平穏に過ごしている。ところ

    久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
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    skythief 2024/01/19
  • 二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第15回を「ちくま」9月号より転載します。延々とつづく渋谷駅周辺の再開発。東横線の地下化はじめ誰も便利になったとは思っていないはずの一連の大工事は都市再開発法によると「公共の福祉に寄与することを目的とする」そうなのだが、当に? との疑問についてお話しさせていただきます。 避けようもない暑い日ざしを顔一面に受けとめながら、タワーレコードの渋谷店で購入した海外の雑誌を手にしてスクランブル交差点にさしかかると、すんでの所で信号が赤となってしまう。階段を降りて地下の通路に向かう方法もあるにはあったが、年齢故の足元のおぼつかなさから灼熱の地上に立ったまま青信号を待つことにしていると、いきなり、かたわらから、女性の声がフランス語で響いてくる。ふと視線を向けると、「そう、シブーヤは素晴らしい」と「ウ」の部分をアクセントで強調しながら、スマホを顎のあたりにあてた外

    二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
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    skythief 2023/09/22
  • 「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|大塚 英志|webちくま(1/4)

    5月4日、厚生労働省が新型コロナウィルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました。感染対策のために、「手洗いや消毒」「咳エチケットの徹底」といった対策を日常生活に取り入れることだけでなく、会話や事、働き方など様々な領域における行動について指針を示しています。 この「新しい生活様式」という言葉から、戦時下に提唱された「新生活体制」を想起するという大塚英志さんに、エッセイを寄せていただきました。 テレビの向こう側で滔々と説かれるコロナ下の「新しい生活様式」なる語の響きにどうにも不快な既視感がある。それは政治が人々の生活や日常という私権に介入することの不快さだけではない。近衛新体制で提唱された「新生活体制」を想起させるからだ。 かつて日が戦時下、近衛文麿が大政翼賛会を組織し、第二次近衛内閣で「新体制運動」を開始。その「新体制」は、経済、産業のみならず、教育文化、そして何より「日常」に及ん

    「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|大塚 英志|webちくま(1/4)
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    skythief 2020/05/23
  • 第26回:反日・非国民上等な丸屋九兵衛が、「ツヤッツヤのサラッサラ」を米黒人に説明する|悪いキツネをおさえつけることはできない|丸屋 九兵衛|webちくま

    オタク的カテゴリーから学術的分野までカバーする才人にして怪人・丸屋九兵衛が、日々流れる世界中のニュースから注目トピックを取り上げ、独自の切り口で解説。人種問題から宗教、音楽歴史学までジャンルの境界をなぎ倒し、多様化する世界を読むための補助線を引くのだ。 過日、SNSを賑わせたのは、アフロヘアが美しい黒人女性モデルの写真を使い「ツヤッツヤのサラッサラになりたい。」「なれます。」と書いたヘアサロン専用の整髪料宣伝ポスターだ。 こういう●▲■!な反論が出てくるあたりも、もはや定番といえよう。 多様性に対する配慮の欠如 like Aマッソ。日が誇るお家芸のようなそれらを我々が目撃するのはこれが最初ではないし、残念ながら最後でもないだろう。もちろん、その度にわたし自身がああでもないこうでもないと屁理屈をこねることもできる……が、たまには違う試みをやってみよう。 そこで、この件について友人とチャッ

    第26回:反日・非国民上等な丸屋九兵衛が、「ツヤッツヤのサラッサラ」を米黒人に説明する|悪いキツネをおさえつけることはできない|丸屋 九兵衛|webちくま
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    skythief 2020/03/16
  • round.9 『ミッドサマー』|フェミニスト両手ぶらり旅|金田 淳子|webちくま(1/2)

    漫画・アニメ・小説ゲーム……さまざまな文化表象に、萌えジャージにBLTシャツの粋なフェミニストが両手ぶらりで挑みます。うなれ、必殺クロスカウンター!! (バナーイラスト・題字:竹内佐千子) 「この連載、もう更新しないのかな」と、編集と読者があきらめたころに更新される、フェミニスト両手ぶらり旅です。刃牙さん、いつもありがとうございます(唐突な感謝)。 そういうわけで、いま、映画『ミッドサマー』(アリ・アスター監督)が熱い。 いや、日での公開からすでに一か月ほど経っているし、もう熱くないような気もする。しかしまだまだ「私の考えた『ミッドサマー』の真相」といったツイートが流れてくるし、劇場公開もされている。だからこの連載でとりあげても許されると思った。 そもそもこの作品については、英語圏で公開された当時から、私の周囲の好事家のあいだで話題になっていた。ジャンル的には「奇祭まぎれこみ系ホラー」

    round.9 『ミッドサマー』|フェミニスト両手ぶらり旅|金田 淳子|webちくま(1/2)
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    skythief 2020/03/11
  • 漢語の日中往来|ちくま新書|荒川 清秀|webちくま(1/2)

    2月の新刊、荒川清秀『漢語の謎』の「はじめに」を公開いたします。……とここまで書いた文の「新刊」「漢語」「公開」が「漢語」ですが、漢語は中国からやってきたものばかりかと思いきや、日で作られ、中国に渡ったものがたくさんあります。この漢語を窓にして、日語と中国語の両方の世界をのぞいてみませんか?(この「はじめに」には、さらに韓国語、ヴェトナム語も登場します!) 1 漢語とは何か †漢字で書かれている=漢語ではない わたしたちは日語という「ことばの海」の中で生きている。この海には漢語、和語、混種語、外来語などという種類の異なることばが存在する。このうち、書の主役である「漢語」は、海の半分以上という大きな比重を占めている。来の日語である和語や外来語も由来がわからないものが少なくないが、とりわけ漢語は漢字とともに、中国から伝わったものが多く、よく考えると意味や由来のわからないものが多数存

    漢語の日中往来|ちくま新書|荒川 清秀|webちくま(1/2)
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    skythief 2020/02/25
  • 町の本屋として生きる人|ちくま文庫|鹿子 裕文|webちくま

    町の屋として生きる人 鹿子裕文 僕には愛おしく思っている店が何軒かある。いずれも町の小さな個人商店だ。いくらかお金を使うつもりでそこをたずねると、店番を務めている主人とちょっとした会話を交わすことになる。そうやって店の中で過ごす一時間少々。それは僕にとって、とても大事な時間のひとつで、「じゃあまた」と店を出て行くときに感じる、ほのかにあたたかい気分と後ろ髪を引かれるような感覚は、かけがえのなさの質を僕の身体に刻んでやまない。 東京都、杉並区、桃井一丁目。 JR荻窪駅から歩けば、環八を越えてさらに数分。青梅街道沿いに店を構える「屋 Title」は、僕にとってそういう店のひとつだ。僕は福岡に住んでいるから、そうそう足を運べるわけではないけれど、この店を思う気持ちは、その地理的な距離とはまったく関係がない。いつも心のそばにあって、灯火のようなものがそこで揺れている。 さて。 このたび文庫化

    町の本屋として生きる人|ちくま文庫|鹿子 裕文|webちくま
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    skythief 2020/02/07
  • 世界哲学史に向けて|ちくま新書|納富 信留|webちくま

    筑摩書房は今年2020年に、創業80周年を迎えます。これを記念して、ちくま新書の新シリーズ『世界哲学史』(責任編集:伊藤邦武、山内志朗、中島隆博、納富信留、全8巻)の刊行を開始いたしました。 古代から現代まで、時代を特徴づける主題から諸伝統を同時代的に見ていき、人類の知の営みを新たな視野から再構築する試みです。 1月に刊行された『世界哲学史1――古代Ⅰ 知恵から愛知へ』より、納富信留先生による序章を公開いたします。 †「世界哲学」と「世界哲学史」 今、「世界哲学」が一つの大きなうねりとなっている。これまで西洋、つまりヨーロッパと北アメリカ中心に展開されてきた「哲学」という営みを根から組み変え、より普遍的で多元的な哲学の営みを創出する運動、それが「世界哲学」と呼ばれる。私たちが活動する生活世界を対象とする哲学、多様な文化や伝統や言語の基盤に立つ哲学、そして、自然環境や生命や宇宙から人類を反

    世界哲学史に向けて|ちくま新書|納富 信留|webちくま
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    skythief 2020/01/27
  • 第19回「拳銃!」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    単独ライブの大阪公演と、続く名古屋でのライブ出演のため、一週間ほど家を空けることになった。数日分の荷物を用意するのはいつも億劫で、当日の朝に慌ててキャリーバッグに詰めていくのだが、「これだけ確認してもどうせ何かは忘れてるしな」という諦めの気持ちで臨むから、やはり忘れる。一応前日に「持って行くものリスト」は作成しているはずだが、そもそもそのリストに記入漏れがあるのでどうしようもない。さらに時間に余裕を持って行動するのはもっと苦手で、今出ないと新幹線に間に合わないという時間ギリギリに、散らかしたままにしてバタバタと家を出る。こういう時に限って、携帯の電池は50%を切っている。昨夜寝る前の自分を恨んでも遅い。 案の定、マンションのエレベーターで下へ降りている途中で思い出す。「拳銃!」と声が漏れる。誘拐犯のコントで使うオモチャの拳銃を机の上に忘れたのだ。なんとも物騒な独り言だ。誰も乗り合わせていな

    第19回「拳銃!」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま
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    skythief 2019/11/14
  • 第20回:三原じゅん子に捧ぐ帝国主義論。美しい国の八紘一宇FOREVER!|悪いキツネをおさえつけることはできない|丸屋 九兵衛|webちくま

    オタク的カテゴリーから学術的分野までカバーする才人にして怪人・丸屋九兵衛が、日々流れる世界中のニュースから注目トピックを取り上げ、独自の切り口で解説。人種問題から宗教、音楽歴史学までジャンルの境界をなぎ倒し、多様化する世界を読むための補助線を引くのだ。 1学年あたり1万人、なのに大学生が合計5万人。 どうにも勘定が合わないことで有名な都の西北、ラーメン屋の2階にある大学キャンパス。わたしが若き日を過ごしたところだ。そこは、多種多様な立看板が並ぶ、ちょっとした町のようなところだった。 劇団サークルの告知。 学費値上げに反対する檄文。 女装コンテスト、参加者募集の知らせ。 著名知識人を招いて行われる講演会の宣伝、等々。 あれは「知識人を招いての講演会」の一つだったのだと思う。とはいえ、その講演の主旨も、肝心のメイン出演者の名前すら忘却の彼方だが、とてもはっきりと覚えているのは彼の肩書きだ。

    第20回:三原じゅん子に捧ぐ帝国主義論。美しい国の八紘一宇FOREVER!|悪いキツネをおさえつけることはできない|丸屋 九兵衛|webちくま
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    skythief 2019/09/19
  • 第17回「不快指数100だもの。」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    どうもオチと向き合うのが苦手だ。漫才やコントのネタを作っていても、まるでストーリーに終わりが来ることを予期していなかったかのように、毎回「あ、そうか、これって終わるんか」と慌ててしまう。正直、オチなんてどうでもいい、と思うことも多いが、よくあるやつではダメだと思う自分もいる。どうにか「終わってない終わり」なるものを考案したいが、そんなものはない。オチていないだけだ。味のなくなったガムの捨て時とネタのオチの生み出し方だけは、いつまでたっても心許ない。 いつもストーリーを書きたいだけ書き、背もたれに体をだらしなく預けたら、「ほれ、最後どないすんねんな」という声が頭から聞こえる。そこから、しぶしぶ、といった体を無駄に装って、続編もないのに「つづく」と打っては、光の速さで消す。ある時は「っていうのは、全部ウソでした〜」と書いて、「売れる気ないならやめろ」という脳内からの鈍い声に「冗談やんか」と言い

    第17回「不快指数100だもの。」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま
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    skythief 2019/08/28
    “めっちゃつづく”
  • 第23回「昼飲み」「夏フェス」【夏】|佐藤文香のネオ歳時記|佐藤 文香|webちくま(1/2)

    「ダークマター」「ビットコイン」「線上降水帯」etc.ぞくぞく新語が現れる現代、俳句にしようとも「これって季語? いつの?」と悩んで夜も眠れぬ諸姉諸兄のためにひとりの俳人がいま立ち上がる!! 佐藤文香が生まれたてほやほや、あるいは新たな意味が付与された言葉たちを作例とともにやさしく歳時記へとガイドします。 【季節・夏 分類・生活(飲)】 昼飲み 傍題 昼酒 昼の酒 ビール、冷酒、焼酎、梅酒、これらすべて夏の季語なので、さらに「昼飲み」を立項するまでもないと思われるかもしれない。また、飲む人は季節にかかわらず昼から飲んでいる、という指摘もあるだろう。が、夏の昼に飲む酒は格別である。外ランチに足してもいいし、自宅で飲むのもまたよい。昼飲みで大事なのは解放感だ。30℃以上になる日は当なら全日夏休みにすべきなので、せめて事どきくらいは夏休みを味わった方がよい。 1番のオススメは冷え冷えの白

    第23回「昼飲み」「夏フェス」【夏】|佐藤文香のネオ歳時記|佐藤 文香|webちくま(1/2)
    skythief
    skythief 2019/08/01
    “30℃以上になる日は本当なら全日夏休みにすべきなので、せめて食事どきくらいは夏休みを味わった方がよい。”/「昼飲み」なんかいつにも増してノリノリじゃないですか?
  • 日本にとって有益で、立憲民主党には不利益な本|ちくま新書|枝野 幸男|webちくま

    参議院議員選挙が迫ってきました。 『武器としての世論調査』では、各社の世論調査を総合・平均し、選挙前に野党の支持率が一時的に上がる現象――”選挙ブースト”を詳しく分析しています。野党はこの現象をどう捉えているのか。一時的な上昇を力強い流れにすることは可能なのか。 立憲民主党代表で衆議院議員の、枝野幸男氏による書評です。 いま、非常に複雑な気持ちです。これまで私は、ツイッターやnoteで発表される三春充希さんの世論分析を戦略立案の参考にしてきました。このの内容が広く知られると、そのことの優位性が失われてしまう。世論調査の正しい見方が広まることは、政治や民主主義にとっては良いことなのですが……。痛し痒しというところです。それくらい、三春さんの分析は貴重な資料です。 書第Ⅱ部の、衆院選の得票率をもとに市区町村ごとの政党支持率を地図にする研究は面白いですね。私にとって、街頭演説は有権者一人ひと

    日本にとって有益で、立憲民主党には不利益な本|ちくま新書|枝野 幸男|webちくま
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    skythief 2019/07/08
  • 「よい校閲者になるには酒を飲むべし」!?|『「本をつくる」という仕事』刊行記念|稲泉 連|webちくま

    1月刊、稲泉連『「をつくる」という仕事』から1章分を3回にわけて掲載します。 昨年ドラマでも話題になった「校閲」とはどんな仕事なのか?何をやっているのか? ノンフィクションでお届けします。 第三者の鋭い目 手元に置かれたビールを一口、二口と飲むと、矢彦孝彦さんは寝不足の赤い目を擦って、 「いや、昨日はある作家の校正刷りの締切日でしてね。これがなかなか手強い仕事で……」 と、言った。 「いや、当に参りました」 そう穏やかな調子で続けてから、また一口、二口とビールを美味そうに飲む。 「この二日間、著者が真っ赤にしたゲラと格闘していましてねえ。彼が『真っ赤っかにしてやったぜ』と言っていたので、僕は『真っ黒くろにしてやったぜ』とゲラを編集者に渡してきたところなんです」 一つの仕事を終えたことがいかにも清々しいという感じで、彼は話した。校正人生四〇年、仕事を楽しむということを知っている人なのだ、

    「よい校閲者になるには酒を飲むべし」!?|『「本をつくる」という仕事』刊行記念|稲泉 連|webちくま
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    skythief 2019/06/28
  • 第15回「両親を愛するようにして、歴史を愛している」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    大きくなるまでのあいだに、私の心をとらえたたくさんの「分からないこと」は、主に言葉だったような気がする。皆と同じように「なんで勉強せなあかんの?」「宇宙はどこまであるん?」などといった、あるある疑問もおそらく一度は抱いただろうが、記憶が曖昧ということはあまり魅力的ではなかったようだ。「?」のなかに怒りや悲しみ・漠然とした不安が付随していて、沈んだ気持ちになったからかもしれない。 それとは違い、「鉛筆の“HB”ってなに?」と考えたことは、なぜかしっかりとした輪郭をもって記憶に残っている。この不思議な2文字にはどんなストーリーが込められているんだろう、と思った。文字が金色で刻まれていることにも惹きつけられた。その後すぐ、大して仲良くもない席が近いだけのいけ好かない男の子(歯医者の息子)からHard Blackというそのまんまの意味の言葉の略だと教えてもらい、「なんやぁ」と言いながら、「想像を超

    第15回「両親を愛するようにして、歴史を愛している」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま
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    skythief 2019/06/27
  • 第4回タバコをめぐる二、三の事柄|宇宙のランチ|荒内 佑|webちくま

    今、注目のバンドceroのメンバーとして多くの楽曲で作曲、作詞を手がける荒内佑が、<日常>とそこに流れる音楽の話を綴る初めての連載が「webちくま」にてスタート。毎月1回、第4水曜日の更新です。 「禁煙化が進む国はファシズムへ向かう」とは誰の言葉だったろうか。ナチスドイツの反タバコ運動を思い出すまでもなく「禁煙ファシズム」という言葉があるくらいで愛煙家は国家が進める禁煙運動を危険視している。東京オリンピックに向けて、書くのも(読むのも)かったるいが「受動喫煙対策法案」が国会に提出される予定だし、渋谷のハチ公前喫煙所も撤去された。かくいう自分のタバコ歴も人生の半分を超えたので、めんどくせーな、喫煙所探すの、くらいのことは日々思っている。だが、禁煙ファシズムを糾弾している名だたる著名人(「禁煙ファシズム」で検索してみて欲しい)に楯突くつもりは毛頭ないが、恐る恐る私見を述べれば、愛煙家は依存性持

    第4回タバコをめぐる二、三の事柄|宇宙のランチ|荒内 佑|webちくま
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    skythief 2019/06/25
  • 第3回戦場のiPodとこの世界の片隅に|宇宙のランチ|荒内 佑|webちくま

    今、注目のバンドceroのメンバーとして多くの楽曲で作曲、作詞を手がける荒内佑が、<日常>とそこに流れる音楽の話を綴る初めての連載が「webちくま」にてスタート。毎月1回、第4水曜日の更新です。 戦時下における音楽の利用について、検索をかけたら恐らく腐る程テキストが出てくるだろう。実際にぼくが検索窓に打ち込んだのは「イラク戦争 iPod 」「Iraq war iPod」だった。というのも、イーストウッドの映画アメリカン・スナイパー』のとある場面で、スナイパーの耳元に突っ込まれたイヤフォンがアップル社のものに見えたからだ。実際、映画を見返していないので確認はできていないが検索結果の中で印象的だったものは2つ。まとめサイトのニュース(2007年)「イラクに派兵された米兵が銃撃された時、胸ポケットに入れていたiPodが盾となり命を救った」というもの。もう一つはTIME誌のweb版(2011年)

    第3回戦場のiPodとこの世界の片隅に|宇宙のランチ|荒内 佑|webちくま
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    skythief 2019/06/25
  • 7.ケンドリック・ラマーと黒のグラデーション|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくま(1/4)

    トランプ後のアメリカ音楽はいかなる変貌を遂げるのか――。激変するアメリカ音楽の最新事情を追い、21世紀の文化政治の新たな地図を描き出す! 2016年2月15日。ロサンゼルスで開催された第58回グラミー賞授賞式におけるケンドリック・ラマーのパフォーマンスは異様な雰囲気に包まれた。 俳優ドン・チードルの紹介に続いてステージが暗転すると、ケンドリックを先頭に手足を鎖に繋がれた数人の黒人が現れる。舞台には牢獄のセットが組まれ、両脇の鉄格子の中にはサックスを演奏する囚人もいる。鎖を付けたままマイクの前に立ったケンドリックは、大音量のバンド演奏とともに〈ザ・ブラッカー・ザ・ベリー〉をラップし始める。曲の後半、鎖をちぎったダンサーたちが激しい踊りを繰り広げ、暗闇の中で囚人服のスケルトン模様が蛍光色に発光する。するとステージが転換し、今度は中央に設置された巨大なかがり火を囲むようにアフリカを思わせる部族

    7.ケンドリック・ラマーと黒のグラデーション|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくま(1/4)
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    skythief 2019/06/05
    大和田先生の連載、やっと、やっと再開ですよ!
  • File29. 加納愛子(Aマッソ)・選:隣のクラスの面白かったあいつ、今どうしてるかなと思った時に読む本|昨日、なに読んだ?|Aマッソ 加納|webちくま

    紙の単行、文庫、デジタルのスマホ、タブレット、電子ブックリーダー…かたちは変われど、ひとはいつだってを読む。気になるあのひとはどんなを読んでいる? 各界で活躍されている方たちが読みたてホヤホヤをそっと教えてくれるリレー書評。 【Aマッソ・加納(お笑い芸人)】→→佐藤文香(俳人)→→??? 駅前にぺろんと伸びている、閑静な住宅街にありがちな頼りない商店街を歩いていたら、学校帰りの中学生の女の子2人が忍者ごっこをしていた。昼下がり、日が沈むまでにはまだもう少し時間があった。午後の授業が早く終わり、さらにラッキーな事に何かしらの理由で部活も休みになったのであろうか。はたまた二人とも帰宅部であるのか。とにかく二人は、夢中だった。一人がお決まりのニンニンポーズで、電信柱から電信柱までをふざけた走り方で横切る。それを見ているもう一人が締まりのない顔でゲヘゲヘと爆笑しながら「くらえ手裏剣〜!」と

    File29. 加納愛子(Aマッソ)・選:隣のクラスの面白かったあいつ、今どうしてるかなと思った時に読む本|昨日、なに読んだ?|Aマッソ 加納|webちくま
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    skythief 2019/05/30