ミャンマーが軍政クーデターに揺れている。『西南シルクロードは密林に消える』『ミャンマーの柳生一族』などで、現地を取材した高野秀行が、東京のミャンマー人たちの生の声を緊急取材した。 写真/森清 前回の記事はこちら→『祖国が軍政クーデターに揺れる「東京のミャンマー人」たちの本当の声』 「多様性と混沌」のミャンマー 高田馬場は別名「リトルヤンゴン」と呼ばれ、十軒以上のミャンマーレストランが軒を連ねる。中でも中心的存在は駅の真ん前にあるタックイレブンという古いビル。ここにはミャンマーレストランが二軒入っているほか、上の階にはミャンマーの食材店がいくつも並んでいる。 ミャンマー料理店の老舗〈ノングインレイ〉はこのタックイレブンの一階にある。モモさんのゴールデンバガンと同様、ここも経営者はシャン人で、シャン料理を得意とする。ある意味で「多様性と混沌のミャンマー」を体現するかのようなごった煮感にあふれた