新今宮にホルモン料理屋が多い理由は? 安くて旨いお店がたくさんあるのはどうしてだろう? この街の食のルーツを辿れば、街の歴史が見えてくる。 この街を観察し続け50年、元日雇い労働者であり、地域史研究家の水野阿修羅さんに労働者が愛した「新今宮の食」についてお話を伺った。 新今宮にホルモン料理屋が多いわけ 新今宮にホルモン料理屋が多い理由は、戦前からこの辺りにあった食肉処理場が関係しています。食肉処理場があれば、当然そこにはホルモンが出るわけです。それを朝鮮半島から渡ってきた人たちが調理し、食べだしたというのがこのエリアのホルモンの始まりです。朝鮮文学者の金時鐘(キム・シジョン)さんが自分の文章の中でホルモンは朝鮮人が食べ始めたと書いていますね。語源については「放るもん」から来ていると話していました*。いろんな説があるんですけど。西成の場合は近くにもともと食肉処理場があって、それがその後、津守