「『ヘイト本』の陳列が目立つ」 「欲しい新刊がないから、ネット書店で買おう」 書店に行って、そんなことを思ったことはないだろうか。 こうした問題は、出版流通の仕組みのひずみから生まれている、と指摘する本が出た。ジャーナリストの木村元彦(ゆきひこ)さんが著した、ノンフィクション『13坪の本屋の奇跡』(ころから)だ。書店員がヘイト本を置きたくないと思っても、取次から一方的に送られてくるという。どういうことなのか。 本の舞台は、大阪メトロ谷町六丁目駅の近くにある隆祥館(りゅうしょうかん)書店(大阪市中央区)。店主は、元シンクロナイズド・スイミング(現アーティスティックスイミング)の元日本代表の経歴を持つ二村(ふたむら)知子さんだ。 売り場はわずか13坪という小さな書店だが、なかなか売れないジャンルであるノンフィクション本を充実させ、本によっては日本で五指に入る販売実績を誇ることもあるという。 な