婚姻時に夫婦が同姓か別姓かを選べる「選択的夫婦別姓」制度。導入に向けて法務省の法制審議会が民法改正を答申してから28年がたつが、自民党保守派が「家族の伝統が壊れる」などと反対し実現していない。一方、保守色が強いとされる地方で、共感が広がった町議会がある。理解を広げるヒントを探しに、現場を取材した。【佐々木雅彦】 「仲間の多くの議員は家族が崩壊するような気がしていた。でも説明を聞いたら、そんなことはないと思えるようになったようだ」。香川県小豆島町議会の保守系グループ「さつき会」会長の谷康男さん(67)=自民党=はこう話す。さつき会は、全町議14人のうち9人が所属する。