『天体戦士サンレッド』『ケンガンアシュラ』など意欲的な企画を数多く手がけてきた岸誠二が、キャリアのターニングポイントとなったアニメ振り返るインタビュー連載。ラストとなる第3回は、セルルック3DCGによるTVアニメの道を切り開いた、歴史的な一作を取り上げる。 ――3本目は『蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-』です。これを選んだ理由は? 岸 これはわかりやすいです。世の中に存在しなかったものを送り出せた作品だからですね。当時、日本の深夜アニメの流れにあるTVシリーズを、3DCGで制作した人がいなかった。だから明確に「業界全体のターニングポイントにしてやれ!」という気持ちで作りました。ずっと「そんな企画できるわけがない。仮に通せたとしても、商売になることはあり得ない」と業界の人たちから言われていたんです。でも、すでにTVシリーズでも部分的には3DCGが使用されていましたし、サンジゲンがEDアニ