いじめ対策NPO「ユース・ガーディアン」代表理事を務める阿部泰尚氏は、これまで6000件ものいじめに関する相談を受け、いじめの加害者・被害者を問わず数多くの保護者や児童生徒、教師と接してきた。 その中で阿部氏が気づいたのが、最近の学校では「謝罪の会」が「いじめ終結」の手段とされるケースが多い、ということだ。しかし、本当に「謝罪の会」でいじめは終わるのだろうか? 氏の最新刊『保護者のためのいじめ解決の教科書』より、知られざるその内幕をお伝えする。 早く幕引きしたい学校の思惑 最近の学校では、いじめを認定した場合、加害生徒に注意を与えたうえで、「謝罪の会」を行うことが多い。これは、先生の立ち会いのもと、被害生徒とその親、加害生徒とその親が集まり、加害生徒が謝罪する、一種のセレモニーだ。 学校としては「謝罪の会」をもって、いじめは解決したといいたいわけだ。しかし、本当にいじめが解決したかどうかは