記者会見を終えた菅義偉首相。左はコロナ対策政府分科会の尾身茂会長=首相官邸で2021年9月9日午後8時(代表撮影) 安倍政治の継承を掲げた菅義偉首相が就任し、16日で1年となる。10月に退陣する菅政権はこの間、何を残したのか。政策を中心に検証する。 菅義偉首相には、就任当初から「説明不足」との批判が付きまとった。重要政策を打ち出す際に自身の言葉で語らず、国民の理解を得られなかった。国会審議を避ける「国会軽視」の姿勢も目立った。 「救急車の音を聞けば、必要な医療が届いているのか、皆さんのなりわいや暮らしは大丈夫か、不安を何度も感じた」 今月9日の記者会見で、首相が新型コロナウイルス対策の苦悩を率直に語ると、インターネット上には「総理、やればできるじゃん」といった書き込みが相次いだ。国民感覚からかけ離れた「官僚答弁」を重ねてきた首相に対し、国民の不満が鬱積していたことを物語る。首相周辺は「やれ