雨が地面を冷たくぬらす4月のある水曜日の夕方。県の玄関口、JR岐阜駅は大勢のサラリーマンや学生、買い物客らでにぎわっていた。それとは対照的に、南口にある公園・清水緑地に一人、また一人と、無精ひげがのぞく中高年の男性ばかりが集まってくる。「アーメン」。6人が祈りをささげ、あずまやで雨をしのぎながらけんちん汁をつつき始めた。 岐阜市や近郊のキリスト教プロテスタントの有志が毎週水曜日に行っている、困窮や孤独などを抱えた人の支援活動だ。「今日は何しとったの」「まだ寒いね」。振る舞われた温かな食事を囲み、たわいもない世間話で盛り上がる。歓談は約1時間で散会。別れを惜しみつつも、それぞれの「家路」につく。 とはいえ、70代の男性が帰る「住まい」は、目と鼻の先にある橋の下だ。家はなく、この支援活動を通じて寝袋などを手に入れた。「こんな暮らしには慣れてないで、悲しいわ。お金が無いから、うろうろせないかんで