“中東のシリコンバレー”として存在感が高まるイスラエルには、世界の大手テック企業らが先を争うように進出し、人材獲得や資金援助の動きを進めている──。 ここでは、元ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)編集者でイスラエルのスタートアップ企業の窓口となる現地NGO「スタートアップ・ネイション・セントラル」の広報部門長を務める、Amir Mizrochが各企業の最新動向を解説する。 1. マイクロソフト マイクロソフトは2018年1月、イスラエル軍の「8200部隊」出身でサイバーセキュリティ分野のエキスパートであるAssaf Rappaportを、同社のイスラエルのR&D部門長として迎えた。 8200部隊はイスラエル軍のサイバーセキュリティと諜報活動を担当する精鋭チーム。現在34歳のRappaportは今後、マイクロソフトのクラウド事業を鉄壁の防御で守る任務にあたる。マイクロソフトのクラウド