低スキルと言っても、上には上、下には下がいるわけで、高いところと比べたら低いといった相対的な程度問題ではない。ベクトルの大きさではなく向きが、いろいろ正反対になっていたりする。 なんと言うか「ソフトウェア開発とは低レベルな人間を集めてやる苦業」という、半ば無意識だけど強固なメンタルモデルがまずあって、それに即して人が集められ、技術が選定され、開発プロセスやコーディングルールが策定され、さらにそうした信念を再生産する形で世代交代もなされていくような。 そういう現場を、ここでは差し当たり低スキル志向な現場と呼んでみたい。 ---- 低スキル志向な現場の特徴は、まずルールやガイドラインに分かりやすく現れる。とにかく初心者、新人、未経験者、不勉強者、老害といった、低スキルサイドに基準が置かれる。 たとえば 2007年ごろに C# が3.0になったときも、低スキル志向現場ではラムダ式が禁止された。も