自民党は、国内の過疎地で若者の雇用確保に取り組む団体を自治体が「地域社会維持発展法人」(仮称)に認定し、政府が財政支援する新しい制度の検討に入った。法人が農林水産、建設、福祉などの地元産業に若い人材を派遣して人手不足を補う一方、若者側は各産業にまたがって働くことで一定水準以上の収入を得られるようにし、定住を促すのが柱。議員立法で関連法案を策定し、来年の通常国会で成立を目指す。 全国の過疎地では、少子高齢化に加え、農林業などの民間産業で若い世代がなかなか安定した収入を得られず、都市部に人口が流出する要因になっている。一方、これらの業種は繁忙期に一時的な人手不足に陥ることもある。新制度はこうしたギャップを埋めて過疎地の産業を支えつつ、さまざまな仕事に派遣することで、年間を通じて雇用を確保する構想だ。