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このところ、電気自動車(EV)に関するネガティブなニュースが増えてきた。国際投資アナリストの大原浩氏は、EV化推進を含む「脱炭素」の欺瞞(ぎまん)が明らかになってきたと強調する。大原氏は緊急寄稿で、いまの日本にとって必要なのは「脱炭素」ではなく、石油や天然ガスなど「炭素=化石燃料」だと強調する。 筆者が「人権・環境全体主義者」と名付ける人々が声高に主張する「人権尊重」「全面EV化」「脱炭素」などの主張は欺瞞に満ちており、「特定の人々」の利益になっても、日本や世界の「ほとんどの人々」の利益にはならないことが暴かれるようになってきた。 「脱炭素」は、いまだにその必要性が科学的に証明されているとはいえないが、「EV化推進」に至っては電気のかなりの部分が化石燃料によって発電されているという「不都合な真実」に対して見て見ぬふりだ。 日本政府が「EV化推進」に舵を切るなかでもハイブリッド(HV)やエン
プラグインハイブリッド車(PHEV)であるトヨタのプリウス・プライム Photo: Matt McClain / The Washington Post / Getty Images 最もグリーンな「プリウス・プライム」米国エネルギー効率経済評議会(ACEEE)が、2024年の「グリーナー・カーズ」という環境にやさしい車の評価報告を発表したと米紙「ワシントン・ポスト」が報じた。そのランキングで米国で最も環境にやさしい車とされたのは、なんとプラグインハイブリッド車(PHEV)であるトヨタのプリウス・プライムSEだった。 同調査では、電気自動車(EV)を含め、米国で2024年に販売される1200台の自動車が評価対象となった。二酸化炭素(CO2)排出量の算出にあたっては、走行中だけでなく、自動車とバッテリーの製造に伴う排出量も加味された。また、窒素酸化物、一酸化炭素、粒子状物質など、CO2以外の
長年、世界を飛び回って自動車業界の動向を分析している伊藤忠総研上席主任研究員の深尾三四郎さん(42)は、自動車業界で世界最大のブロックチェーン(取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のように繋げ、分散的に処理・記録し正確な取引履歴を維持する技術)の国際標準化団体である「MOBI」のアジア人唯一の理事でもある。 <【前編】ここにきて、日本の中古車が世界で「ひとり勝ち」するかもしれない…!専門家が着目する「自動車産業」の新たな価値>では、日本のEV産業はどうやって収益を上げるべきか、欧米や中国に後れをとっている日本のEVが生き残る道について深尾さんに聞いた。 本稿では、“電池パスポート”や“データで稼ぐ”というEVビジネスの注目点と共に、日本のEVが今後進むべき方向について、深尾さんに聞く。 中古車の価値を上げる方法論 日本の自動車産業が重視すべきポイントは“中古車”と“ブランド力”だと深
「日本の自動車メーカーはまさにテスラ化している」。ある大手自動車部品メーカーの幹部はそう驚きの声を上げた。 日本の自動車メーカーがEV(電気自動車)の競争で勝ち抜くために、生産工程の抜本的な見直しに取り組み始めた。ガソリン車と異なる構造であることを重視し、車両の設計や構造、生産手法を根本から見直す。見本とするのはEVで先行するアメリカのテスラだ。 トヨタ自動車は6月中旬に、次世代EVに使用する車体部品について「ギガキャスト」の導入を検討していることを明らかにした。ギガキャストは、車体部品を一体成形できる技術で、アルミダイキャストという鋳造法で溶かしたアルミ金属を流し込んだ金型を圧入して整形する。 アルミダイキャスト自体は既存技術だが、「ギガ=巨大な」という言葉どおり巨大な装置で大型部品を作り出す。別々に造った複数のパーツを溶接などでつなぎ合わせていたこれまでの工数、つまり製造コストを劇的に
トヨタのタイ戦略はどうなるか 日本政府の然るべき人たちに「伝えたい」:池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/5 ページ) 前編では、トヨタのカーボンニュートラル戦略を理解しようともせず、実績にも目を瞑(つむ)り続けて、CO2削減マイナス23%の日本メソッドを訴求しそこねた無策な日本政府に愛想を尽かしたトヨタが、理解者であるタイを軸にASEANのCO2削減に力を入れ始めた話を書いた。 では、なぜタイでは、それが可能なのか? そこはやはりCP(チャロン・ポカパン)グループの凄(すご)さということになる。CPの主要事業の1つに養鶏がある。しかしそこは途上国、海外への食品輸出に関して、衛生や安全規制の不行き届きを疑われ、なかなか輸出が増えなかった時代があった。 CPはそのイメージを覆すことに尽力して、先進国をしのぐ管理体制を整えた。安全、安心。そして環境貢献。そのために彼らは食品の安全性のトレー
190億ドル(約2兆5000億円)超の資産を運用するアカデミカーペンションは発表で、トヨタがロビー活動によって内燃機関車の廃止と完全な電気自動車(EV)の導入に向けた各国政府による取り組みを弱めようとしているように見えるとした。 その上で、トヨタの発表内容やロビー活動と地球温暖化対策の国際合意「パリ協定」の目標との整合性、環境政策のロビー活動などによるレピュテーショナル(評判)・リスク削減に向けた措置、輸送の完全電化への移行を妨げる声明やロビー活動を控えることの約束の3つについて質問状を送ったことを明らかにした。 アカデミカーペンションの発表によると、トヨタは同基金が今回の株主総会のため提出した株主提案を期限に遅れたとして拒否。これを受けて、アカデミカーペンションは質問状を送付した。 トヨタ広報担当の橋本史織氏は、同社の渉外活動への基本的な考え方の根底には「社会に貢献したい」という思いがあ
トヨタ自動車が、二酸化炭素(CO2)をほぼ出さない水素エンジン車でレース参戦を続けている。エンジン開発や、水素供給の仕組みづくりの狙いがある。ただレースに際しての豊田章男社長の言葉からは、ガソリン車を廃止して電気自動車(EV)に傾きがちな政府の脱炭素政策に警鐘を鳴らす狙いも透ける。 政府は、2050年までの脱炭素を宣言し、35年までに乗用車の新車販売で純粋なガソリン車をゼロにすることを掲げている。 こうした政策を念頭に5月、初参戦した富士スピードウェイ(静岡県小山町)の耐久レースでの記者会見で豊田社長はこう話した。 「全部がEVになったら日本でカーボンニュートラル(脱炭素)は達成できない」 日本は欧州のように再生可能エネルギーの普及が進まず、電源構成の7割超を化石燃料由来の火力発電が占める。その電気を使ってEVを走らせても間接的にCO2を排出する。電力の脱炭素化が伴わないEVへの転換は、必
「私たちの目指すゴールはカーボンニュートラル(炭素中立)なのであって、その道筋は1つではない。脱炭素の出口を狭めないでほしい」 4月22日、日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は定例会見に臨み、ガソリン車廃止に傾く国の政策に異議を唱えた。会見時間をほぼ丸々使い切って脱炭素政策に警告を発するのは、昨年12月以来、3度目のことだ(関連記事:「100万人が雇用失う」自工会・豊田会長、再エネ遅れに危機感)。 菅義偉内閣は昨年10月、日本が2050年までに炭素中立を実現する目標を宣言。昨年12月にその工程表である「グリーン成長戦略」で、30年代半ばまでに乗用車の新車販売でガソリン車をゼロにすることを掲げた。 自工会は炭素中立に全力で協力すると表明済みだが、そのための方法が日本の自動車産業の競争力を削(そ)ぐものであってはならないというのが豊田会長の主張だ。約3万点あるガソリン
トヨタ自動車とスズキは10月12日、業務提携の検討を始めたと発表した。環境や安全、ITなどの分野で連携に向けて協議していく。 スズキはこれまで軽自動車を中心に価格競争力の高いクルマづくりに注力してきたが、先進技術の開発に課題を抱えていた。一方、トヨタは環境・安全面やITに関する技術開発に取り組んできたが、欧米各社と比べて他社との連携などで遅れをとっていたという。提携を通じ、両社の課題を解決する考え。 両社は検討を「両社間で公正かつ自由な競争が行われることを前提に進める」としている。 関連記事 トヨタ、ダイハツを完全子会社化 小型車事業を強化 トヨタ自動車が8月にダイハツ工業を完全子会社化。技術開発や事業戦略面で協業し、主に小型車事業の強化を推し進めていく。 ホンダとヤマハ発動機、原付バイクで協業検討 “ライバル同士”が提携へ 本田技研工業とヤマハ発動機が、日本市場向けの50cc原付スクータ
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