所得格差が大きい地域ほど、地域の絆(きずな)を示す他人への信頼感が低下し、自分の健康状態が悪いと思う人の割合も高くなる--愛知県知多半島の高齢者を対象にした日本福祉大などの大規模調査で、こんな傾向が明らかになった。経済的な格差と住民の結びつきの深さや健康が相互に関係していることを示す結果で、注目されそうだ。 調査は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京都港区)の市田行信研究員(地域計画)らが日本福祉大健康社会研究センター(名古屋市)などと協力。知多半島の10自治体に住む65歳以上の高齢者約3万4000人を対象に郵送で実施、半数の約1万7000人から回答を得た。1950年時点の自治体で分けた計25地区ごとに、所得格差を示す「ジニ係数」と、地域の絆を示す「他人への信頼感」の程度や、自分の健康状態をどう思うか(主観的健康感)などとの関係を分析した。 その結果、25地区のジニ係数は0.26~