「大都市の予備校で受験勉強に特化した学生は、入学後に伸び悩むんです。そういう生徒は、あまり来てほしくないですね」 関東にある難関国立大の学長は、東京圏を中心に過熱する中学受験や大学受験への懸念をそう語った。偏差値という物差しで大学を選び、入試で得点を重ねるための学びに傾けば、「学問への意欲や探究心がそがれる」。学長がそう考えたきっかけがあったという。 ある年の入試。都市部の中高一貫校などで受験対策を多く積んできたであろう受験生たちが、あまり手を付けない問題があった。その一方、留学生や地方出身者らの正答率は高かった。