痛みに人生をのっとられたようだった。 秋田県の女性(60)は12歳の時、遊んでいた友達の体が右の人さし指にぶつかった。 突き指で、ひどく腫れた。丸1日たっても鉛筆が持てず、算数のテストも受けられなかった。 1週間後、今度は後頭部の右側が痛み出した。その晩、ひきつけを起こした。 当時住んでいた茨城県から、タクシーで東京都の大学病院に運ばれた。 検査の結果、異常は見つからず、家に帰った。 だが、右手から肩、首にかけては鈍く重苦しく痛み、右後頭部は、頭皮をつかまれてねじ込まれるような強い痛みが続いた。 右手は熱さ冷たさの感覚や触覚も鈍かった。 後頭部の痛みを紛らわそうと、髪の毛をよく引っ張って、500円玉ほどの大きさではげた。 学校を休んででも、各地の病院に足を運んだ。整形外科、脳神経外科、内科、眼科、精神科。病院内でも、診療科をたらい回しになった。 だが、診断名はつかず、原因は不明。医師は似た