タグ

ブックマーク / medt00lz.s59.xrea.com (36)

  • 罵倒の運用について - レジデント初期研修用資料

    罵倒のようなやりかたにも使いかたがある。誰かを罵倒することで、その人の背中を強力に後押しするような効果を期待することもあるし、同じ罵倒のやりかたであっても、誰かを徹底的に否定してみせることで、その人から抵抗の意思を奪い去るような効果が期待できることもある。 海兵隊の教官は新兵を罵倒する 海兵隊訓練教官の罵倒を集めた記事を読んだ。 テレビ番組でときどき紹介される海兵隊の訓練風景は恐ろしいけれど、文章として罵倒の言葉だけを取り出すと、訓練教官をやっている人は、罵倒であっても相当に言葉を選んでいるのだろうなと思う。 訓練教官の罵倒は、読んでいて面白い。新兵に対して、何か「できなかった」ことを叱るのではなく、新兵ごとに到達点を仮想して、「やらなかった」ことを叱る。同じ「できない」を表現するにしても、結果を叱れば「お前は無能だ」というメッセージを送ることになる。できたはずの到達点を仮想して、そこに到

  • 言葉の排除が共感を近づける - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 言葉の排除が共感を近づける 人を bot にする道具 新型旅客機の特番を見た 待合室の経済 名門再起の物語 言葉の伝わりやすさについて 人格否定の使いかた 団体競技としての刑事尋問 御札はどうして売れるのか トラブル対策としての選択枝 Recent Comments 待合室の経済 04/04 foo 言葉の伝わりやすさについて 03/31 Luddite 03/27 medtoolz 03/23 30ryo 人格否定の使いかた 03/23 Anonymous 03/19 で 03/15 通りすがり トラブル対策としての選択枝 03/20 orhopedics 03/15 通りすがり 03/13 medtoolz Recent Trackbacks 0から1を作った経験 01/13 As a Futurist... 制約を身につける 01/11 ルールがあるから

  • 人を bot にする道具 - レジデント初期研修用資料

    それが親しい人であっても、見知らぬ誰かであっても、自分に対して好意的な反応を返してもらうことは気分がいい。 共感はサービスの原動力で、共感が上手な人はそれ自体で商売をすることもできるし、ユーザーを共感してくれる誰かと結びつけてくれるサービスには人が集まる。 人間と区別がつかない、極めて精巧な人工知能を生み出すことができたとして、そうした人工知能によって提供された共感は、サービスとして商売になる。 高性能な人工知能を完成させるのは難しいけれど、人間の認知を、ネット上に多数存在する単純な人工知能、bot のレベルに引き下げることができるのならば、bot が提供する幼稚な共感から、 人間はより多くの快適さを引き出せるのかもしれない。 「マジやべぇ」はマジやべぇ いろんなアプリケーションとして提供されている人工無能、入力された言葉に対して、あらかじめ用意された単純な文章を返すだけの機能しか持たない

  • ゲームの進化について - レジデント初期研修用資料

    「シューティングゲームは、「弾をよけながら敵を撃破するゲーム」ではなく、「弾幕デザイナーの意図にそってレバーとボタンを操作する作業」であるといえる。RPGも同様に、プレイヤーは操作や判断を洗練させるほど、それはゲームデザイナーの意図した通りの動きに収斂していく」とTwitter に書き込んだら、「そんなことはないだろう」という反響がけっこうあった。そのあたりのいいわけ。 昔話 小学生の昔、ブロック崩しにこそ出遅れたけれどスペースインベーダーは現役で間に合って、ギャラクシアンに驚き、ムーンクレスタ3号機の理不尽に泣き、ディグダグの画面がカラフルなのに驚いたらもう中学受験は目前だった。 中学校に入って、久しぶりのゲームセンターではボスコニアンが稼働していて、よく聞こえない合成音声に首を傾げる真横では、同級生がハイパーオリンピックに熱中していて、ゲームセンターではそれからしばらく、ボタンが溶けた

  • 人は禁じられた方向に努力する - レジデント初期研修用資料

    組織やチームの文化というものは、スローガンや目標ではなく、日常の動作やおしゃべりにおけるちょっとした制約が作り出す。 「全部英語」は極端であるにせよ、その会社、その組織、その業界独自の言葉や言い回しを作ったり、あるいは「その場で発してはいけない言葉」を作って共有すると、その場には独自の空気が生まれる。外から入ってきた人が「その組織の人」になるまでの時間は、そうした空気がある場所では大幅に短くなっていく。 制約が空気を作る 「ノー」を禁じた組織には、「ノー」を表現するための語彙が増えていく。「現実的に」を禁じた会議室からは、実際に実現できるアイデアが増えていく。 何か到達したい状態があるのなら、それを目標として声高に叫んでみせるよりも、目標と反対側の単語を禁じてやると、人間は案外、その方向に能力を発揮する。 内科医の会話から「外科」という言葉を禁じると、「外科に相談」みたいに便利な言葉が一切

  • 悪役には「ずれ」がある。主役には欠落がある - レジデント初期研修用資料

    漫画原作者である小池一夫 さんの「主人公には弱点を。敵役には欠点を」という教えは、シンプルなのにとても深いなと思う。物語を作る側ではなく、読む側からそれを改変すると、主役には「欠落」を、敵役には「ずれ」を、になるのではないかと思う。 悪の組織は素晴らしい 主人公に立ちはだかる「悪の組織」を束ねるのは、理想の上司と形容されるような素晴らしい人物でないといけない。 「ブラック企業」に代表されるような、部下をこき使う、魅力のかけらもないような人物を悪の黒幕として設定すると、主役の戦いに大義が生まれない。 ブラック企業上司は、部下となった人たちから選択肢と睡眠時間を奪う。部下に対して、組織に賛同する意思を引き出すのではなく、「組織に賛同しない」という選択肢を奪おうとする。物語ではたいてい、主人公は悪の組織に何かを奪われた存在として描かれるけれど、「ブラック企業」的な組織の末端には、やはり大切な何

  • 「ちゃんと」できる人なんていない - レジデント初期研修用資料

    あってはならない「確実に」という作業指示 – プリウスに見るゴムホースの「組み付け基準」 という記事が興味深かった。 「適切」は難しい 「適切に」判断したり、「正しく」組み付けたりすることは、特にそれが100% に近い再現を求められた場合には、とんでもなく難しい。 詳細なマニュアルを作成して、現場にそれを徹底したところで、大きく「適切に判断を行う」と書かれた項目が残っていたら、かならず誰かが間違える。 「適切」な判断や「正しい」組み付けを現場に実現しようと思ったら、マニュアルから「適切」や「正しく」といった言葉を追放すればいい。便利な言葉が禁止されれば不便になって、マニュアルを書く人は頭を抱える。抱えた頭で手順を見直すと、「正しく」やらなくても正しい結果にしかなりようがない、来そうあるべき手順が見つかる。 困っている人は「正しく」やらない 最近部屋を整理していたら、棚の奥から研修医時代

  • 熱心な人は恐ろしい - レジデント初期研修用資料

    それが敵であっても味方であっても、正義や熱意で動く人というのは恐ろしい。 損得勘定で動く人なら、立ち位置が異なっても会話はできるし、お互いの行動はある程度読めるけれど、正義や熱意で動く人はまず真っ先に損得勘定を除外するから、何が出てくるのか分からない。 有能な敵は頼りになる 「有能な敵」は、状況によっては味方よりも頼りになる。「無能な味方」は、もしかしたら真っ先に背中を刺しに来る。 嗄幼くてはいけない相手だからこそ、抜け目のない敵は相手をよく観察している。観察した相手だからこそ話は通じて、立場は異なっても、ゆがみのない会話ができる。味方を自認する人は、味方であることにしばしば安住してしまう。観察を怠った人は、「あいつならたぶんこうだろう」という予測が外れると怒り出す。味方であったはずなのに。 当直時間帯における頼るべき「有能な敵」は、「見逃すと翌朝までに患者さんが亡くなりうる疾患」のリスト

  • 「できない」がチームを作る - レジデント初期研修用資料

    チームを作って何かするときに大切なのは、「できない」ことの把握なのだと思う。誰もがたぶん、何らかの「できる」を持ち寄ってチームを作る。「できる」はもちろん大切だけれど、お互いの「できない」を共有することで、個人の集まりははじめて、チームとしての機能を獲得できる。 神経内科は怖かった 今いる施設にはいろんな患者さんが紹介されて、自分の手に負える患者さんもいるけれど、もちろんそうでない患者さんも多い。特に神経内科方面の症状を訴える患者さんが紹介されて、頭部の画像診断で、少なくとも素人目には明らかな問題がない場合には、うちの施設ではほとんど「お手上げ」になってしまう。 県内には神経内科を標榜する施設がいくつかあって、大学にはもちろん医局があるし、外来を持っている施設も、神経の専門を掲げている施設もあるのだけれど、「こんな患者さんがいるのですが、診療していただけないでしょうか?」なんてお願いすると

  • 曖昧さという対立軸 - レジデント初期研修用資料

    上司にとって、曖昧な指示は武器になる。 「臨機応変に」やってくれだとか、「患者さん第一に現場の判断で」考えろといった指示を出すことで、上司は部下に対して「当たりくじだけ持ってこい」と命じることができてしまう。 あいまいさは便利 成果を厳しく問われない場所ならば、曖昧な指示は武器として役に立つ。無難なくせに内容のない、耳あたりのいい言葉を運用すると、上司は責任を回避しつつ、部下の成果を独り占めできる。 部下の側が曖昧な指示に抵抗しようと思ったら、「自分では無能すぎてこのケースを判断できません」という立ち位置で、全ての判断を上司にゆだねることになる。現場の誰もが無為に立ちすくんで、上司は無能な現場を叱って、組織の空気は悪くなっていくけれど、部下の側が結束している限り、上司はまともな指示を出さざるを得なくなる。 ピラミッド型の組織において、部下の数は上司よりも多い。現場の結束は、「まじめな」誰か

  • 砂場としての2ちゃんねる - レジデント初期研修用資料

    ネットは年々厳しくなっていくように思える。 ルールは昔を引き継ぐものだから、昔からいる人たちはすでにルールを知っていて、ルールはますます複雑に、あとから入ってきた人には分かりにくいものになった。ネットワークでできることはずいぶん増えて、ネットのうわさ話がニュースに取り上げられる機会も増したけれど、結果としてこれは、「やってはいけないこと」をやってしまった人が負うべきペナルティを、ずいぶん重たいものにしてしまった。 取り返しのつかない状況に陥るまでの時間も短くなった。HTML の昔なら、記事を書いて検索エンジンに取り上げられるのに1週間ぐらいかかったけれど、blog の記事をネットに上げると、5分もすれば Google の検索に引っかかる。Twitter はもっと速くて、書いて1分もすると、もう検索サイトにログが残って、そうなるともう、自分では記事をコントロールすることができなくなってしまう

  • 無能から見える風景 - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 無能から見える風景 乱暴な言葉の使いかた 下段の間合いを削る人 何かを呼ぶには3人必要 共通言語としての損得勘定 負けるのは大事 悪い奴らは来なかった 体質改善は怪我に効かない 平凡なのにはわけがある 悪役の深度について Recent Comments 下段の間合いを削る人 05/09 tetsukawa 05/06 medtoolz 05/06 xen 悪い奴らは来なかった 04/30 デフォルトの名無しさん このは何でないのか 12/31 medtoolz 12/30 薬屋支店総務 12/30 愛読者 12/30 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 案外やっていけるお店のこと 12/30 kaka Recent Trackbacks 乱暴な言葉の使いかた 05/11 5月10日の気になったニュース:高レベル... 05/09 乱暴な言葉の使いかた

  • 悪い奴らは来なかった - レジデント初期研修用資料

    病棟で3年過ごした昔、上司の書いた処方箋を見て、「こうすればもっといいのに」なんて批評家気取りができるようになった頃、島に飛ばされた。邪魔な上司の指示が入らない、「こうすれば」を自分の責任で行える機会がいよいよ巡ってきて、それをやろうとして、手が動かなかった。 決断のお話。 実戦は怖い 島への派遣が決まったとき、粋がって英語ばかり持ち込んだ。世界的に権威のある教科書だから、信頼性なら完璧なのに、いざそれを使おうとして、それを翻訳するのが自分であることに思い至って、そのがいきなり信用できないものに変わった。普段は馬鹿にして、ろくに読みもしなかった日語の「今日の治療指針」がありがたくて、それに頼ってようやく病棟を回すことができた。 畳の「へり」なら転ばず歩けるのに、それが地上10m の高さに置かれたそのとたん、足がすくんで動けなくなる。模範解答を知っていることと、実際に決断ができること

  • 理念とは卑怯の提案 - レジデント初期研修用資料

    30年以上も昔、担任の先生が産休に入って、代打要員として、音楽の先生が県から派遣されてきた。ちょうどその頃、県の音楽コンクールが重なっていて、「どうせでるなら勝ちましょう」なんて、いろんなことを教わった。 柔らかい音を出す 「トライアングルを柔らかく鳴らしましょう」というのが、演奏の課題として取りあげられていた。 どれだけの感情を込めたところで、あれだけシンプルな楽器を「柔らかく」鳴らす術は分からなかったのだけれど、その先生は、「柔らかいとは、紐の根を固く持つことだ」なんて教えてくれた。「柔らかい」というのは、要するに響きの減衰が早いことと同義であって、トライアングルを吊っている持ち紐の、トライアングルに一番近い場所を固く握ることで、音は「柔らかく」鳴るのだと。 縦笛を鳴らす人は、パートが終わった瞬間に両手を膝の上に置くときれいに見えること。シンバルを叩く人は、叩いたあとでシンバルごと「

  • 相手に刺される想像力 - レジデント初期研修用資料

    円滑な、最高には遠いかもしれないけれど、少なくとも無難ではある、「お互いに半歩だけ下がって、 丁寧語で当たり障りのない会話をする」関係というものは、人間関係の万能解なのだと思う。 こうした関係を作るために欠かせないのが「相手に刺されるかもしれない」という想像力であって、 お互いがこうした想像力を持ちながら、健全な相互不信を続けていければ、人間関係に関するトラブルは、恐らくはずいぶん減るんじゃないかと思う。 変な台がある 世の中ではしばしば、強い側に立った人が、目の前にいる「弱い人」に対して、ひどく横柄に振る舞う。 下手すると、相手のほうが年上で、体格もよかったりするのに、立場の強い側に立った人は、 「あとからこの人に殴られるかもしれない」という可能性をしばしば無視して、必要以上に横柄になる。 弱い側の人もまた、同じ人間である以上、横柄な相手をぶん殴ることは決して難しいことではないのに、

  • 作った人の顔を見てみたい - レジデント初期研修用資料

    ソニーが新しいAndroid 携帯を発表して、開発者の人が、インタビューに答えていた。 「特徴を教えて下さい」という質問に対して、開発者は「デザインにあると思います」と答えていて、これは何か違うような気がした。 作った人の自慢話が聞きたい 新しい携帯電話はたしかにきれいなデザインで、薄く作られていて、全体が弓のように反っていて、デザインは特徴的なのだけれど、 特徴が「デザインにあると思います」という答えかたは、エンジニアの言葉ではないような気がした。 エンジニアはそれを作った人なのだから、発表を行ったその時には、まずはユーザーに向かって「こう使ってほしい」という言葉が聞きたかった。 それは「注文」であって「特徴」ではないけれど、特徴というものは、目的だとか、ユーザーへの注文抜きの、単独で語られてしまうと、 どこか他人行儀に聞こえてしまう。エンジニアは、これから発売される製品にとっての「一番

  • 努力には正しい方向がある - レジデント初期研修用資料

    どこかに就職したり、何か会社を興してみたりといった体験を持たない、生まれついての「プロの政治家」という人たち、 学校を出て、最初から政治家として活動して、努力した人たちが、そのまま最上階まで行ってしまうのは、恐ろしいことだと思う。 努力した人はしがみつく 何かの目的を持った人、目標を「これ」と決めて、それを実現するためのやりかたを考えた経験を持つ人は、 あらゆる場所が通過点になる。目標を達成したなら、たぶんまた別の目標が見つかって、やるべきことや、必要な資格なんかは、その都度変わってくるだろうから。 漠然と「努力」を重ねて、努力の「ご褒美」として、一番高い椅子を手に入れてしまった人には、もはや「上がりの先」を想像することができない。努力をもっとやろうにも、 そこにはもう、問題集とか、次のご褒美を用意してくれる誰かはいないから、先が見えない。 こういう人が頂点に座ってしまうと、今度はじゃあ、

  • 三菱電機IS の危機管理 - レジデント初期研修用資料

    「高木浩光@自宅の日記 – 三菱電機ISは結局会見で何を伝えたかったのか」で取りあげられていた、岡崎図書館事件に関するインタビューのログを読んで思ったこと。 リンク先はこちら 。この記事に関するブックマーク記事はこちら 。 大雑把に言ってしまえば、グダグダな、きちんと調べて会見に臨んだ記者の人たちを相手に、会社の人たちがかみ合わない議論を続けて、 最後の最後まで、「この事件はこうだった」という、会社の人たちの考えかたが見えない会見だったのだけれど、 このグダグダを「ゴール」だと、三菱の人たちが最初から考えていたのだとしたら、これはこれで模範的な危機管理、クライシスコミュニケーションなのだと思った。 謝意の表明と責任の引き受け このインタビュー記事に関して、「企業危機管理の悪い事例」というブクマコメントがついていたけれど、 今回のグダグダなインタビューに臨んだ会社側の人たちは、恐らくは「危機

  • 新しい技術をものにする - レジデント初期研修用資料

    Google へのハッキングが中国軍幹部の指示で行われた」というニュースが、個人的には最近けっこう驚いた。 軍隊の上層部なんて、どの国を眺めたところで、頭の固い老人ばかり、ましてや中国なんて、と高をくくっていたら、中国軍の幹部は、「ハッキング」という新しい技術を、一応使いこなしていたわけだから。 やってみないと分からない 日ならばじゃあどうなのか、たとえば今の政治家の人たちに、「我が国の○○というスーパーハッカーなら、 ペンタゴンに仕掛けたバックドアからいつでも侵入できます」なんて報告を受けて、じゃあそのすごい技術を前にして、 一体どんな指示が飛ばせるものなのか、恐らくは何もできないんじゃないかと思う。 実際に自分で使ってみない限りは、その技術のすごさというものは、理解できないし、ましてや使いこなすことなんて難しい。 それはIT技術に限らず、大昔の刀と槍の時代、戦争がこれから起きて

  • 不運も実力のうち - レジデント初期研修用資料

    それをどうやって身につければいいのかは分からないけれど、「運のよさ」というものは、 やはり上に立つ人が備えるべき能力の一つとして考慮に入れたほうが、組織がより健全になるのだと思う。 努力が成果になる どれだけ素晴らしい経歴の持ち主だろうと、判断の成否を完璧に予測することは不可能で、 準備を完璧に行ったところで、失敗をゼロにすることはできない。 そうしたケースはたいてい「運が悪かった」と総括されて、やるべきことをきっちりとやっていれば、トップの責任は問われないのかもしれないけれど、 「運のよさ」というものを評価軸から排除してしまうと、努力の方向がいびつになるような気がする。 「運の悪い切れ者」が排除されない組織においては、結果がどうであれ、その人の人となりや経歴、 判断のプロセスに努力が認められれば、それが成功と認定されてしまう。そんな文化で組織を回すと、 結果は二の次、プロセスをいかに正し

    NOKIA
    NOKIA 2010/12/01
    第二次大戦の敗戦をうまく総括できなかった日本。或いはバブル崩壊後の日本。「みんながんばっていたのに…」