先日、転売屋についてのエントリーを書いたところ、割と少なくない反応が寄せられたわけだが、なかでも比較的多かったのが「転売屋が巣食っているのは『限定品』などの供給量が変わらない市場だ」という指摘だ。 そういう指摘をする人が何を言いたいのかはイマイチ不明だが、供給量が変わらない市場の方が製品価格の変動要因が少ないから、転売屋にとってリスクが少ないのは明らかであり、そうした市場に「転売」の機会が多いのは間違いのない事実だろう。 ということで、今日は限定品市場に限って、転売屋の行動が市場に及ぼす影響について考えてみることにした。 消費者余剰と転売屋余剰 前のエントリーのコメント欄に書いた通り、限定品の市場では供給量が変わらないばかりか供給価格も変わらないので、転売屋がいない限りは供給曲線は「点」になる。供給曲線は、転売によってはじめて「点」から「線」になり、市場が均衡する。 ある商品が価格200円