中国株式の暴落が止まらず、6月半ばからの3週間で10兆ドル規模の市場から3割の価値が失われる惨状になりました。更に2割のダウンもあり得ると観測され、成長が鈍化した実体経済に響く可能性が高まっています。中国政府は市場を制御できると思い込み、暴落局面では報道を控えるようにとメディア規制にまで乗り出しましたが、打ち出す株価維持政策がどれも効きません。経済成長失速を隠す株式市場の好況演出がとんだ副作用をもたらしかねません。 上海市場の株価は1年前の水準から2.5倍にも急上昇していました。ウォールストリートジャーナルの《極度に荒れる中国株、当局の気まぐれがあだに》が政府が招いたものと主張しています。 《2012年後半に中国の最高指導部で権力の移行が行われているさなかに、中国株式市場の低迷が共産党の面目をつぶすかもしれない場面があった。政府当局はそのとき、新規株式公開(IPO)の扉を閉じてしまった。現