これさえ読んでおけば、明日から独裁者としてやっていけるかもしれない『独裁者のためのハンドブック』の書評 独裁者になる予定がなくても、政治家としての心得に興味がある方なら一読の価値があります。著者のブルース・ブエノ・デ・メスキータとアラスター・スミスはいずれも有名な政治学者であり、国際政治学から比較政治学にかけて幅広い分野に寄与する研究業績を残しています。 彼らが『独裁者のためのハンドブック(The Dictator's Handbook)』は研究者をターゲットにした本ではなく、あくまでも一般向けに書かれていますが、その内容はどれもジャーナルに掲載された研究論文に依拠しています。一見すると手軽な読み物に見えますが、しっかりした研究成果によって裏付けられています。 この著作の最も重要な部分は、第1章で述べられている「独裁者のための5つのルール」です。著者らは独裁者にとっての政治的成功は、自分の