経済学を専攻するすべての学部大学生・大学院生へ あくまで主観的に選択されていることに留意すること (なお、このページの情報は2000年現在です → 理由はひとりごとへ)
前に紹介した「グーグルでバカになる?」の逆に、書物のように知識を系統的に整理するのは近代社会の特殊な秩序で、情報の爆発によって分類は破綻し、すべてはその他(miscellaneous)になると主張する本。それ以上、深い思想が書かれているわけではないが、ちょっとしたヒントにはなるかもしれない。 たとえば今、私は本(共著)1冊と学術論文の査読1本と雑誌原稿2本とウェブのコラム1本を抱えているが、活字メディアは効率が悪い。雑誌原稿を書くときのエネルギーの半分近くは、所定の字数に収めることに費やされるが、ウェブはアバウトでいいからだ。本はもっと大変で、共著となると1年は優にかかる。 『カラマーゾフの兄弟』を人類の最高の成果と考えるような人にとっては、グーグルはそういう「大思想」を滅ぼす元凶だろう。しかし世の中に『カラ兄』を最後まで読んだ人が何人いるだろうか(私は高校生のころ読んだが今はとても読
今後、ワーキングプアの割合は今よりも指数関数的に増えると思う。中国の若年層大卒率はかなり上がってきた。これが何を意味するかというと、知識労働のアウトソーシングを中国が大々的に請け負うようになるということだ。以前はインテグラルだったシステム開発の現場もどんどんモジュラ化が進んでいる。だからプログラマ、システムエンジニアも例外はない。仕様策定を終えたシステムは日本人のコーダーが書こうと、中国人のコーダーが書こうと一定のクオリティを保てるようになるのだ。 だから日本人の大卒者と中国人大卒者のアウトプットはさほど変わらなくなる。物価差が大きいのに、アウトプットが変わらなくなった労働者の賃金は同じか、中国人の方が安い。大問題だ。 システムのコモディティ化も進もうとしている現在、企業は価格差で勝負する戦略にすでにシフトしつつある。だから企業はシステム開発の予算を削減するために、より安い労働者に仕事を課
フィナンシャルタイムズの日本関連の記事は最近では「フィナンシャル・タイムズ - goo ニュース」(参照)にオフィシャルな翻訳が出ることが多いので、4日付けの”Japan’s recession is not a recession”(参照)もそのうち出るんじゃないかと期待したが、今日11日になってもそんな気配はないし、4日付けの記事はなんとなくスルーされた感じなので、ほいじゃ、このブログで扱いますか。 というか、一応普通に日本の知識人ならフィナンシャルタイムズの社説くらいは読んでいるんじゃないかと思うけど、この話題、他所では特に見当たらないようだが、どう? それほど話題になるようなネタじゃないということなのかもしれない。つまんない話題は当ブログのお得意だな。 標題の”Japan’s recession is not a recession”は、「日本の景気後退なんて景気後退じゃないよ」と
これまでの歴史的経緯や、世界的なトレンドを考えると、 経営を理解してない労働者は、 どんどん居場所がなくなり、年収も下がって いくと思います。 逆に、経営*1を理解している労働者は、ますます活躍の場が広がるし、 たとえ運悪く挫折しても、何度でも復活するチャンスが得やすくなっていくと思います。 そして、後述するように、これは全世界的なトレンドであって、 この流れを一時的に阻害するぐらいはできても、 歴史の歯車を逆転させるようなことは、もはやできないと思います。 そもそも「経営」を勘違いしている人が多い よくある「経営」に関する迷信に、以下のようなものがあります。 【迷信1】企業の目的は金儲けである 【迷信2】非営利組織に経営は必要ない(善意だけで運営できる!) 【迷信3】経営スキルがなくても仕事には困らない(経営は経営者の考えることだろJK。。。) 以下、これらについて解説します。 【迷信1
朝日・読売・日経の「あらたにす」というウェブサイト(初めて読んだ)に、安井至氏の「IPCCは温暖化を断言したのか」というエッセイが出ている。これは以前の日経新聞のコラムへの批判に対する反論だが、環境科学の専門家からの反論なので検討に値する。 まず安井氏は、日経の「『科学的に決着した温暖化』という表現は、単独で読む限り、誤解を招くおそれがある」と認める。つまりこの問題は、科学的には決着していないのだ。彼はIPCCの報告書に「断言」という言葉がないことを認めた上で、脚注の「非常に高い確信をもって(90%以上の確信度で)」という表現を根拠に「断言とほぼ同義なのではないだろうか」と苦しい弁解をしている。しかし断言というのは「100%の確信度」であり、90%の確率で生じる事象を科学者は断言しない。あすの朝、太陽が東から昇ることは断言できるが、天気予報であすの降水確率が90%だからといって、雨が降る
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東京証券取引所は22日、システム障害が発生し、東証株価指数(TOPIX)先物と国債先物、同オプションなどデリバティブ(金融派生商品)取引について、午前の取引開始直後から午後1時45分まで売買を停止した。長期金利は午前中は決まらなかったが、一般上場株式などへの直接の影響はなかった。金融庁は同日、金融商品取引法に基づき、原因究明と再発防止策を報告するよう命じた。 東証では今年2月8日午前にもTOPIX先物取引でシステム障害が発生しており、投資家の不信感が強まりそうだ。 システム障害は22日朝に発生。注文情報が一部、証券会社の端末に配信されなかったため、取引を継続することが困難と判断、午前9時21分に売買を止めた。 東証は、注文情報を証券会社の端末に配信するシステムのプログラムにミスがあったと発表。証券会社からの問い合わせに約2万銘柄まで対応できるはずだったが、88銘柄までしか配信で
東証が止まってしまったよ・・・・ 世界中でこんなにすぐ止まるシステムは東証だけだぞ、おい! どーなってるんだ、と言いたくなるくらい東証はすぐ止まる。ムンバイより止まる。 さて、世界最弱と言われ始めたドルにつられて円も対ユーロでまたまた安値を更新。しっかし、いくら私でも170円から買ってついて行こうとは思いません。 あの140円で飛び込んだのが精一杯、へのつっぱり。 誤解があるようですが、ドルはそうはいっても世界中の国の通貨にペッグされているのでみなさんそうそう安くなることを放置はできない。10年先は別としても当面はこのままいくしかない、というのは中国もアラブも納得してるでしょう。 あとは壊れないようにどこで中国とドルを結びつけるか、というのがここ10年の課題であとはマンデル先生の出番、ということです。 そうなると世界最弱はどうみても円、ということになりますので、外貨に換えておきましょうね、
本日は某所で、山形大学人文学部のコーエンズ久美子先生の「証券振替決済システムにおける権利の帰属と移転の理論」というお話を聞いて参りました。 私、あんまり有価証券法理なるものを法学部的にはちゃんと勉強してこなかった人間でありますが、私なりに解釈すれば、 「電子的なネットワーク」が発達していない社会においては「権利」を紙に表章させて「モノ」と同様に(「物権的」に)扱う必要があったけど、ネットワークが発達した社会においては、権利を(準)一元的に管理するデータベースに(時間や場所にあまり制約されず)容易にアクセスできるようになるので、そうした物権的な法理の必要性が大いに低下しつつある、ということが今の時代の背景に存在するんじゃないかと思います。 (金曜日の授業で大杉先生がおっしゃったところの、「昭和の論点」と「平成の論点」。) インターネットの黎明期(90年代後半)に、伊藤穣一さんあたりが、「暗号
かつて日銀の金融政策を"exceptionally poor"と評したバーナンキの金融政策が、「世界経済を破壊する」とか「気違い沙汰だ」などと激しい批判を浴びている。特に問題視されているのは、銀行救済のためにFRBが供給した過剰流動性が、5%を超える急激なインフレをまねいたことだ。図をみればわかるように、今年の初めから突然、1700億ドルを超える史上最大規模の通貨供給が開始され、これが石油や食糧への投機に火をつけたとされる。しかし成長率は上がらず、逆に2%から1%に下方修正された。議会証言でバーナンキは「アメリカ経済は健全だ」と繰り返したが、もはやかつての日銀と同様、彼の言葉を信じる人はいない。 バーナンキも評論家から当事者になってわかっただろうが、中央銀行が経済を自由自在に操れるなどというのは、マクロ経済学の教科書の中だけのお話にすぎない。Economist誌も指摘するように、現状で中
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また磯崎さんからのTBをネタにして恐縮だが、「個が確立していない社会で市場経済をやるというのは、結構キツいんじゃないか?」という問題を、私もいま講義でテーマにしている。特に重要なのは、人類の所得が産業革命以後、わずか200年で1万倍以上になったのはなぜか、という謎だ。ちょうどその講義ノートを書いていたので流用すると、これには古来、多くの答があるが、私はこの資本主義という奇蹟は、17〜8世紀のイギリスに一度だけ起こり、他の経済的に成功した国は、それを輸入したのだと思う。その要因として有名なのは資本蓄積(Marx) 近代的個人の成立(Weber) 財産権の確立(North-Thomas) 法の支配(Hayek) 科学と技術の融合(Mokyr)こうした要因がすべてそろったことが近代西欧の成功の要因だったが、このうちどれを重視するかは人によって違う。かつて重視された1は、現在ではあまり問題
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