ざる蕎麦がある。 白米もある。 どちらも日本人に馴染みきった、スタンダード中のスタンダードだ。 しかしざる飯はない。 これだけ当たり前に存在する両者なのに、誰もここをくっつけてみようとはしない。 やってみたくなってきた。 ピリリとした非日常がやってくる さっそくのざるメシだ ざるメシ、非常に簡単なのだ。 炊いたご飯を冷まして、ザルにのせるだけ。 なぜ誰もやらなかったんだと思う手軽さだ。 しかしだ。 見慣れない。 見慣れたものしか目に入らないはずなのに。 一昔前なら海外のおかしな日本イメージ……今ならむしろAIの作り出した産物って感じだ とりあえず食べてみよう 箸でご飯を持ち上げ… つゆにつけて 持ち上げるのだが… さみしい 誰もがやる前から思ったであろう、最初の関門だ。 食べづらい。 ぽろぽろと暗いつゆの中へと落ちていく粒たち。 なんとかすくって食べてみよう。 美味しい! 味は美味しい。