中島らも『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』を購入。 中島らもという書き手を知ったのは、中学生のとき、母親の本棚を覗き見したときであった。 『心が雨漏りする日には』という本を見つけた。当時『症例A』などの精神病系ミステリやサスペンスを好んでいた私は「心」という単語に反応した。 パラパラと読み、母親はこんな本を読んでいるのかという衝撃を受けたのを覚えている。 そのころから「中島らも」=「なんだか凄い人」というイメージがあるのだが、どうやら間違ってはいなさそうだ。 本書は著者の中学生から大学生までの出来事について書かれたエッセイである。 著者もエッセイに出てくる友人たちや周囲の人々も常識外れで、変な人ばかりである。 変な人、なのにとても魅力的だ。 そしてゆとり世代の私たちが教育によって身につけさせられている「生きる力」とやらに満ちているようにみえる。 もちろん彼の世代の教育は詰め込み型だ。しかも