作者:ジェイミー・A. デイヴィス 翻訳:橘 明美 出版社:紀伊國屋書店 発売日:2018-11-01 我々の体は、250~300種類、37兆個にもおよぶ細胞からできている。しかし、その複雑な構造は、精子と卵子が融合してできた受精卵たった一個からつくられてくる。受精卵が分裂し、さまざまな機能を持つ細胞へと分化し、適材が適所へと移動する。そして、相互に作用しならがさまざまな生命機能を営んでいる。 不思議だとは思われないだろうか。外部から栄養分が与えられるとはいえ、つきつめて考えれば、受精卵が単独で、最終的に極めて複雑な人体を作り上げるのである。いいかえると、たった一個の細胞の中にすべてが詰め込まれているというこだ。いったいどうなっているのか。 複雑なものが作られるとき、最初から完成品がポンとできるわけではない。そのためには、材料と、そして、比喩的な意味としてではあるが、何らかの指示書が必要で