国際オリンピック委員会(IOC)は16日、インドのムンバイで開いた総会で、2028年ロサンゼルス五輪の追加競技を承認した。本来、大会組織委員会が大会を盛り上げるために自国で盛んな競技を選ぶための制度だが、インドなど英連邦諸国で人気のクリケットが入った。そこにはIOCの思惑が透けて見える。【小林悠太、倉沢仁志、岩壁峻】 五つの追加競技が承認されたことで、もう一つの懸念が生じた。IOCは開催経費削減のため、選手数の上限を1万500人と定めているが、5競技中、スカッシュ以外の4競技が団体球技のため、大幅に上回る可能性が高くなった。 「目を疑うような判断だ。方針が議論を経ずに変わっていく。IOCは今後、どこへ向かうのか」。自ら作ったルールを破り、肥大化の道を突き進む現状に対し、IOCの内部事情に詳しい五輪関係者は嘆いた。 五輪は1984年ロサンゼルス五輪を機に商業化へかじを切って肥大を続け、…