「厳格なイスラム教国」というイメージがあるイランだが、教義で禁止されているアルコールをひそかに楽しむ人は多いという。強権的な政府の下でたくましく暮らす市民の実生活を描いた『イランの地下世界』から、意外に種類豊富な酒類や吞兵衛たちとの飲み会事情を紹介する。 【画像】密造ワインにハズレなし… 「禁酒国イラン」の驚くほど充実した飲酒事情 呑兵衛たちが集う『イランの地下世界』 ※ この記事は 『イランの地下世界』からの抜粋を編集したものです。 吞兵衛に国境なし──禁酒国でたしなむ酒の味イランでは酒は違法であることに変わりはないが、薬物ほど暗いイメージはない。何しろイスラム革命前はイランでも飲酒は合法で、大都市にはバーやキャバレーなどが立ち並ぶ繁華街だって普通にあったのだ。 そうした文化の名残もあって、テヘランのような大都市では、よほど敬虔なムスリムや、体質的にアルコールを受け付けない人を除けば、ほ