学生時代、生物調査のために同級生たちと森でテント生活をしたことがある。当然、トイレはない。必然的に穴を掘ってそのへんにすることになるのだが、その方法には鉄の掟があった。 「紙は使うな、葉っぱで拭け」 ティッシュは簡単には分解しない。自然環境を学ぶ者として、紙を使わないことは最低限の自然への礼儀であった。 「たかが、野ぐそ」と侮るなかれ。適した葉っぱを見つけるには、鋭い観察眼と植物の知識が要求される。もし、トゲのある葉っぱだったら。見た目はOKでも、毒があったら。トゲや毒はなくても、せっかくならば保水力のあるやわらかな質感のものを使いたい。 こうして私たちは「究極の葉っぱ」を求めて観察し、図鑑を調べ、最適と思われる葉っぱをもつ植物が生える環境をさぐり、植物の知識だけでなく仲間同士の絆をも深めていった。情報交換しなければ、こんな極めて特化された用途を教えてくれる資料など、なかったからだ。 とこ
おもしろい! これまでロンボルグのコペンハーゲン・コンセンサスは、世界の多くの問題対応政策(栄養失調対策、貿易自由化、汚職対策、温暖化対策)の費用便益を一流学者パネルの分析に基づいて比較し、ランク付けしてきた。厳密には、その分野の専門家が費用と便益について見積もりを出し、別の学者がツッコミを入れ、それをナンシー「夜の女王」ストーキーやバグワティ、キドランドなどの超一流経済学者たちがチェック採点して順位をつける方式。 その中で温暖化対策はいつも最下位だったが、あれこれ関心を集めているテーマなので、今回は温暖化対策だけに焦点をしぼっている。でも温暖化対策は(一部の不勉強な人が思っているのとはちがい)炭酸ガス排出削減以外にもいろいろある。今回は、各種の温暖化対策を比較して、何がいいかを見ている。 炭酸ガス蓄積技術や太陽光を遮る技術の導入、ディーゼル排出や途上国の薪ストーブの改善(この二つは煤を出
「銃・病原菌・鉄」著者ダイアモンドさん 「ゼロ年代の50冊」で1位に2010年11月1日ジャレド・ダイアモンドさん=鈴木香織氏撮影 本紙読書面の企画「ゼロ年代の50冊」で1位に選ばれた『銃・病原菌・鉄』の著者ジャレド・ダイアモンドさん(73)は、大胆な文明論で知られる。「欧米が世界を支配しているのは白人が知能的に優れているからだ」という「常識」を覆してみせた。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で地理学の講座を受け持つが、関心領域は理系、文系の境界を越え、生理学、進化生物学、言語学、歴史学に及ぶ。 『セックスはなぜ楽しいか』『人間はどこまでチンパンジーか?』『文明崩壊』。著作はどれも、壮大な問題意識を出発点にしている。 「人がゴリラより長いペニスを持つのはなぜか」「英語や仏語など印欧語だけがなぜ繁栄したのか」「マヤ文明が消滅したのに日本が存続できたのはなぜか」――。 『銃・病原菌
5月21日に発売の新刊書。生粋の経済学者と水産研究者のコラボです。 なかなか盛りだくさんですよ。勝川は3章と12章を担当しました。 目次 序 章 日本の水産業の再生を急げ 第1章 我が国の漁業の歴史と国際状況 第2章 水産資源は誰のものか 第3章 資源管理は可能か 第4章 日本の漁業における費用削減の可能性 第5章 再生可能資源と市場構造 第6章 資源の利用権市場の経済分析 第7章 ITQの検証 第8章 水産物エコラベル 第9章 水産エコラベリングの発展可能性 第 10章 貿易と水産業の経済理論 第11章 海面養殖の可能性 第12章 水産改革への提言 http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/10050003.html お値段は、なんと5000円ポッキリ。 水産関係は部数がでないので、割と
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