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ブックマーク / realsound.jp (15)

  • 漫画家、印税では食べていけない?  紙の単行本の発行部数激減が与える深刻さ「まさかこんなに減るとは」

    ■紙の単行の発行部数が減ると? 「出版社から届いた、単行の初版の発行部数を見て衝撃を受けました。たったの3000部って……。前の巻では8000部でしたが、こんなに減らされるとは思いませんでした。これでは生活できません」 こう話すのは、ある大手出版社で漫画を連載している現役の漫画家A氏である。漫画家にとって、“印税”を生み出す単行の発行部数は生命線だ。しかし、その発行部数が急激に減らされる例が目立っているというのだ。紙の単行の急速なシェア縮小などが背景にあるのは間違いない。 「連載作家はアシスタント代などを払うと、原稿料収入は月に数万円しか残らない人もいます。人によっては赤字ということもある。印税を臨時ボーナスと言う人もいますが、それはよほどの売れっ子の話。新人は印税があることでようやくトントンという感じなのですが、ここまで発行部数を減らされてしまうと、とても生活できません」 かつて

    漫画家、印税では食べていけない?  紙の単行本の発行部数激減が与える深刻さ「まさかこんなに減るとは」
  • 【追悼】『十二国記』や『薬屋のひとりごと』の先駆け 酒見賢一『後宮小説』が拓いた中華風エンタメ小説の世界

    『陋巷に在り』『泣き虫弱虫諸葛孔明』といった、中国に題材を取った小説で知られる作家の酒見賢一が11月7日に死去した。ネットにはまだ59歳だったのかといった驚きや、『泣き虫弱虫諸葛孔明』とTVドラマが放送中の『パリピ孔明』との関係を類推する声がずらりと並んだ。わけてもデビュー作『後宮小説』が、後の『十二国記』や『彩雲国物語』、そしてこちらもTVアニメが放送中の『薬屋のひとりごと』にもたらした影響を問う声が多くあって、中華風のファンタジーやミステリで盛り上がる今の小説状況を、30年も前に拓いた作家として再注目が集まっている。 『後宮小説』は酒見賢一のデビュー作で、1989年に第1回日ファンタジーノベル大賞を受賞して刊行され、第102回直木賞の候補にもなった。「腹上死であった、と記載されている」という驚きの書き出して始まる小説は、そうした死因による皇帝の崩御から始まり、次の皇帝即位に向けて新し

    【追悼】『十二国記』や『薬屋のひとりごと』の先駆け 酒見賢一『後宮小説』が拓いた中華風エンタメ小説の世界
  • 結束バンド、ファンと分かち合った『ぼっち・ざ・ろっく!』愛 キャスト4人の成長も見えたライブイベント

    アンコールで登場したのは、後藤ひとり役を務める青山吉能。青山はなんとギターを持ってあらわれ、会場がどよめく。披露したのはASIAN KUNG-FU GENERATIONのカバー曲「転がる岩、君に朝が降る」。青山の演奏はどこか慣れない様子も感じさせつつ、それでも真剣に弾く姿が印象的。ギターソロを弾きながら指先を見つめるその真剣な眼差しは、『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品、ひいては音楽への愛の深さが存分に感じ取れるものだった。 パフォーマンス後、青山は「見て、やばいんだけど」と緊張のあまり大きく震える手を観客に向ける。この日のために一生懸命に練習してきたことがうかがえた。また「この作品に出会えて音楽の楽しさとかギターを弾く楽しさを知れた」「音楽って尊いんだなって」と語り、作品への感謝を伝えた。その後、SAKANAMONの藤森元生が作詞作曲した「光の中へ」と、アニメのオープニング主題歌「青春コ

    結束バンド、ファンと分かち合った『ぼっち・ざ・ろっく!』愛 キャスト4人の成長も見えたライブイベント
    feilung
    feilung 2023/05/26
  • 『ぼっち・ざ・ろっく!』世界を席巻? 海外アニメのトレンドアワードで史上最多の8冠達成!

    Anime Trendingのwebサイトで報じられた『ぼっち・ざ・ろっく!』が2022年のアニメの中で年間最優秀賞を受賞したニュース 2022年の漫画・アニメ界の話題をさらった『ぼっち・ざ・ろっく!』が、世界を席巻している。海外メディア「Anime Trending」が主催する「9TH TRENDING AWARDS(第9回アニメトレンド大賞)」で、アニメオブザイヤー(年間最優秀賞)を受賞することが決まった。併せて、最優秀脚賞を筆頭に多数の賞を受賞。史上最多となる8冠達成という快挙を成し遂げた。 同賞では多くの日のアニメがノミネートされているが、8冠達成となると、特別な偉業といえる。『ぼっち・ざ・ろっく!』の高い人気はもちろんだが、映像としての完成度の高さが裏付けられた受賞結果といえそうだ。 脚を手掛けた吉田恵里香はTwitterを更新し、「アメリカのアニメメディアAnime Tr

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  • 『HUNTER×HUNTER』“運命の400話”まであと3話ーーファン熱狂の新展開のなか、連載はいつまで続くのか

    HUNTER×HUNTER』“運命の400話”まであと3話ーーファン熱狂の新展開のなか、連載はいつまで続くのか 約4年ぶりの連載再開から、日12月5日発売号の「週刊少年ジャンプ」で7話目を数えた『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博)。当初こそ長期のブランクと複雑な展開から「話についていけない」という読者が散見されたが、ここにきてファンを歓喜させ、同時に緊張を強いる”過去”のエピソードを展開しており、月曜日になると関連キーワードがSNSのトレンドになるという状況だ。コミックス派の読者も少なくないためネタバレは控えるが、実際に読んでいて「やはり少年漫画のひとつの到達点だ」と唸らされるような興奮がある。 とにかく、いまの『HUNTER×HUNTER』は面白い。その上で、連載を追いかけていても、単行になるまで待つにしても、同様に気になるのは「このままあと何話、掲載されるか」ということだ。

    『HUNTER×HUNTER』“運命の400話”まであと3話ーーファン熱狂の新展開のなか、連載はいつまで続くのか
    feilung
    feilung 2022/12/07
  • 『すずめの戸締まり』に新海誠が込めた切実な思い “生きる意味”の問いに応える一作に

    人はいつか死ぬ。それだけは確実に決まっている。 そして、この国だっていつか終わる。終わりがあると知っていて、人はそのことを見て見ぬふりをして、あるいは忘却して日々を過ごしている。 しかしそのことを忘れていたとしても、人の終わりは突然訪れることがある。そういう理不尽な終わりが身近に襲ってくることに、普通の人は耐えられない。だから、また忘れる。 そんな理不尽に人は耐え続けることができるだろうか。そんなことに耐えながら、1分、1秒でも長く生きることに意味はあるだろうか。 終わりがあると知りながら、それでも1分・1秒でも長く生き永らえる意味はあるだろうか。 新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』は、それに応える作品だ。生きる意味はあるかとの質問に答えるのではない、そう思う気持ちに「応える」作品だ。 日列島は人の力ではどうしようもないほどに自然災害が多い。いつ何どき、理不尽な終わりがどこで襲ってく

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    feilung
    feilung 2022/11/15
  • 日本全国のシネコン、『すずめの戸締まり』にほぼ戸締まりされる

    先週末の動員ランキングは、『ONE PIECE FILM RED』が土日2日間で動員9万人、興収1億2300万円をあげて13週目の1位となった。11月6日までに累計動員は1301万人、累計興収180億円を突破しているが、ギョッとするのは週末の数字だ。興収1億2300万円で1位。これは、首位の週末興収としてはコロナ禍前までの水準だと年間でも最低レベルの数字である。 そのことを踏まえずに、今週末の日全国のシネコンのスクリーンが新海誠監督の新作『すずめの戸締まり』にほぼ占拠されることを批判しても仕方がない。8月以降、新作では最終興収30億円の大台にギリギリ届きそうな『沈黙のパレード』をほとんど唯一の例外として、『ONE PIECE FILM RED』におんぶに抱っこ状態だった国内の映画興行。『すずめの戸締まり』は待ちに待った「大ヒットが約束された作品」なのだ。そこでもし観客を取りこぼすようなこ

    日本全国のシネコン、『すずめの戸締まり』にほぼ戸締まりされる
  • 庵野秀明が突きつける“現実”とは何か 『シン・ウルトラマン』に感じる虚構のカタルシス

    リアルと異なる物差しで映像を作る 庵野氏の狙いは虚構と現実の混交した空間作りだ。それゆえ、ただ一辺倒にリアリティを求める方向で映像を作らない。今回のウルトラマンや禍威獣(怪獣)は3DCGによって作られているが、ウルトラマンの体表にはスーツのシワのようなものが生じるようになっている。これは、CG技術の限界などではなく、わざわざ付け加えているものだ。禍威獣についても4足歩行の怪獣は、成田亨氏の元々のデザインが着ぐるみに人が入ることを想定していたため、生物学的にはおかしくともオリジナルのデザインを尊重した動きと関節を作り上げている。(『シン・ウルトラマン』公式パンフレットの佐藤敦紀x上田倫人の対談より) また昔の特撮映画の合成技術のような、奇妙な遠近感のショットも存在している。ウルトラマンが放射能反応を持つガボラを持ち上げて、屋上にいる長澤まさみを振り返るカットなどは、リアルに考えるとおかしな遠

    庵野秀明が突きつける“現実”とは何か 『シン・ウルトラマン』に感じる虚構のカタルシス
    feilung
    feilung 2022/06/03
  • 劇場版公開を機に紐解く『輪るピングドラム』 より暗くなってゆく時代へのアンサーとは

    TVアニメ『輪るピングドラム』の放送から、およそ10年の時を経て、新作パートを加えた総集編として、新たに構築された『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]君の列車は生存戦略』が、劇場公開された。 『輪るピングドラム』は、『美少女戦士セーラームーン』の一部シリーズや劇場版で評価を高め、さらには女性の自由意志をテーマとした伝説的といえる『少女革命ウテナ』を生み出した、日のアニメーション界の異才・幾原邦彦監督が2011年に発表したTVシリーズだ。ギャグが散りばめられたポップなラブコメ作品のかたちで提出されながら、ところどころに異様な表現が飛び出し、数々の暗喩や、実際の重大事件を思わせるシリアスなテーマが表れる複雑な内容は、放送当時アニメファンの間に大きなインパクトを残した。 とはいえ、その描き方が難解で謎めいたものだったために、十分に理解されなかったのも事実。

    劇場版公開を機に紐解く『輪るピングドラム』 より暗くなってゆく時代へのアンサーとは
  • 劇場版公開を機に紐解く『輪るピングドラム』 より暗くなってゆく時代へのアンサーとは

    実際の重大事件を扱うという、タブーへの挑戦 「前編」では、晶馬たちが生まれながら、“ある呪い”に縛られていることが描かれる。晶馬が夥しく表示される「95」のマークとともに語るのは、高倉家の両親が、カルト教団による16年前のテロ事件に加担していたという、衝撃の事実だ。この架空の事件は、日で実際に起こったある重大事件をモデルにしていると考えられる。 この事件をフィクション作品で扱うことは、多くのケースで敬遠されてきた。なぜなら、多数の死者や、後遺症に苦しみ続ける被害者を生み出した実際の出来事を、娯楽作品の題材にすることは不謹慎だと批判を受けるリスクがあるからだ。それだけに、この事件が象徴する問題が、創作物を通すかたちでは、あまり考えられてこなかったのである。アニメーション作品であればなおさらだ。 とはいえ、この事件が日社会において非常に重要なものであることは間違いない。そればかりか、この問

    劇場版公開を機に紐解く『輪るピングドラム』 より暗くなってゆく時代へのアンサーとは
    feilung
    feilung 2022/05/29
    1995年以降、氷河期世代以降の若者たちが未来を“すり潰される”状況が一向に改善されないまま、現在に至る。
  • 『劇場版 Free!』に込められた“感謝”の思い 観客の心を動かす京都アニメーションの信念

    「思いを繋げる」 『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編を観終わった後に、真っ先に脳裏に浮かんだ言葉だ。近年の京都アニメーションを語る際、いつもこの言葉が浮かび上がる。八田英明社長をはじめ、京都アニメーションは何度も、ことあるごとに、この言葉を発してきた。そしてこの言葉は作品にこもり、多くのファンへと届いていくのではないか。今回は『劇場版 Free!-the Final Stroke- 後編』に込められた思いについて、考えていきたい。 作は2013年にテレビアニメの放送が始まった『Free!』シリーズの最終章となる作品だ。岩鳶高校水泳部を舞台に躍動する主人公の七瀬遙や、幼なじみでありライバルである松岡凛をはじめとしたキャラクターたちが、水泳に青春をかけていく姿を描き出す。テレビシリーズは3期まで、劇場版は前日譚にあたる『映画 ハイ☆スピード!-Free! Star

    『劇場版 Free!』に込められた“感謝”の思い 観客の心を動かす京都アニメーションの信念
    feilung
    feilung 2022/05/06
    「思いを繋げる」が京アニ作品に共通したテーマとか。
  • 梶浦由記、物語を引き立てる劇伴ならではの面白さ ルーツも織り込まれた『海賊王女』サントラ制作を語る

    10月2日より放送中のアニメ『海賊王女』(TOKYO MXほか)。「18世紀×王女×侍×海賊」というコンセプトの下、海を舞台にした壮大な冒険が描かれていく作では、ストーリーを彩る劇伴音楽を梶浦由記が担当。そのオリジナルサウンドトラックが12月8日に発売となった。オープニングテーマであるJUNNA「海と真珠」も書き下ろしている梶浦だが(※1)、ユニークなテーマ設定で進んでいく『海賊王女』という物語にどのようなインスパイアを受け、どのように劇伴を制作していったのだろうか。そこには、バンドを出自とする梶浦なりの制作スタンスや、あくまで“ストーリーが主役”であるアニメに対する劇伴の在り方など、様々な視座が垣間見えるインタビューとなった。(編集部) 個性のぶつかり合いが生まれた時代の物語 ーー10月よりスタートしたアニメ『海賊王女』ですが、放送をご覧になっていかがですか。 梶浦由記(以下、梶浦):

    梶浦由記、物語を引き立てる劇伴ならではの面白さ ルーツも織り込まれた『海賊王女』サントラ制作を語る
  • 成長のために不幸を選ばなくてもいい 『3月のライオン』が教えてくれる気付き

    苦しみがなくても、強くなってみせたいという想い 親友の二階堂は懸念していた。零が幸せになることで、将棋だけに没頭できなくなるのではないか。幸せになることによって強さを手放すのではないか。 「苦しみをバネに」は、将棋に限らずいろんな場面で考えられがちなことだ。不幸なほうが強い。不幸や憎しみを戦う原動力に変えることができるから。しかし、二階堂は考える。苦しみをバネにしないと強くなれないのなら、それまでの実力。全力で別のルートを探して強くなって見せる、と。そして気がつくのだ。零もまた、別ルートを探し始めたのだということを。 二階堂の気づきと共に、読者もようやく「それでいいんだ」と息をつくことができる。16巻を読みながら、ずっと「どうか不幸を選ばないで」と願っていた。人は幸せになったら、そのまま幸せでいていい。不幸を選ぶ必要はない。幸せなまま、強くなる方法を探せばいいのだ。

    成長のために不幸を選ばなくてもいい 『3月のライオン』が教えてくれる気付き
  • 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が生み出すカタルシス “真っ白な人"の歩みを辿る

    そして新型コロナウイルス感染拡大による公開延期を経て、9月18日に『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が公開された。そこでは京都アニメーションの領発揮ともいうべき映像美に圧倒されるだろう。特に、今作では水や海の描写がとても美しく、ため息がこぼれるほどだった。 ヴァイオレットを象徴する台詞として7話の「自分がしてきたことでどんどん体に火がついて、燃え上がっています」という言葉がある。過去の従軍経験において兵士として人を殺めてしまった罪の重さに気がつき、苦悩するシーンだ。そしてその思いは他の元軍人たちにも共通するものであり、戦争が終わったからこそ苦しめられている。その自らの精神を焼く炎を消すための存在である水、そして死者が還り、命が生まれる場所としての海を美しく描くことで、過去の後悔を和らげてくれる。ヴァイオレットという少女の中で戦争が終わり一歩を踏み出すことができると、高らかに宣言

    『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が生み出すカタルシス “真っ白な人"の歩みを辿る
    feilung
    feilung 2020/10/12
    ヴァイオレットが歩くシーンが多用されているのだが、その方向はいつも上手から下手(右から左)に進んでいた。
  • 実写とアニメの境を見直す杉本穂高の連載開始 第1回は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』評

    涙は明日への希望なり 1950年代、メロドラマの巨匠ダグラス・サークはアメリカンドリームの中で抑圧される女性たちを描いた。メロドラマはミュートされた弱者の音を代弁するための物語だと先に書いた。作において抑圧された弱者はヴァイオレットのような女性だけではない。 強権的な兄の元で様々なことに耐えていたギルベルト。ヴァイオレットを戦場で道具として扱うしか選択肢のなかった自分を呪って、彼は自責の念という牢獄の中にいる。 ホッジンズがギルベルトを訪ねる時、彼の部屋はあまりにも暗い。その暗い部屋でギルベルトは決してホッジンズの方を向かない。ホッジンズが開けたドアから外の光が見えるが、部屋から出ることはない。部屋から出る瞬間は描かれず、いつの間にか消えて、次に登場する時はやはり自室の部屋の中である。彼もまた何かに囚われていることを暗喩する。 作のカメラについて少し説明したい。作のフレームは終始安

    実写とアニメの境を見直す杉本穂高の連載開始 第1回は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』評
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