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ブックマーク / kasasora.hatenablog.com (2)

  • 忘却のスイッチ - 傘をひらいて、空を

    私は忘れっぽい。荷物を手元から離すと高い確率で忘れて降りる。買い物帰りには電車の中でも袋の取っ手を手首に通して膝の上に置く。多くの大人が「今、かばん以外のものを持ち歩いている」という意識を保っていられることが信じられない。今日も受け取ったばかりの紙袋を手洗いに置き忘れて慌てて戻った。残っていてよかった。 寝ぼけているのではない。病気でもない(たぶん)。酒や薬物を摂取しているのでもない。私にはその状態が当たり前なのだ。いつも身辺の荷物について気遣おうとすれば、口を閉じるたびに歯をいしばりすぎて顎が疲れるし、首から腰まで傾けるたび派手な音で鳴る。健康によくない。そんなにがんばり続けたくない。できるだけ楽をして生きたい。だから私はいろんなものを忘れても生活が成り立つようなシステムを開発、構築し、運用を継続している。 そのような私が忘れないことがある。暴言や暴力の対象になった場面だ。たちの悪いも

    忘却のスイッチ - 傘をひらいて、空を
    gattolibero
    gattolibero 2017/04/14
    ◎ まるで短編小説を読んでいるかのような気持ちになった。
  • 愛がなくては住むところもない - 傘をひらいて、空を

    また拾ったの。私のその発言は質問ではない。確認だ。友人が相続した細長い建物の、その一階は元工場で、いまの季節は事務室だった空間に灯油ストーブを常時稼働させてようやく適温になる。居住性が高いとはいえない。その一階に友人が布団を出して寝泊まりしているときは、誰かが二階に住んでいる。またっていうほどじゃない、と友人はこたえる。たまにだよ、こないだから何年も経ってるよ。 二度も三度も拾えばじゅうぶん「また」だと思う。犬やじゃないのだ。人を拾う人間はそんなにいない。けれども私は彼女のそのようなふるまいを嫌いではない。「よぶんな部屋があって、住むところがない人がいるから、住んでもよい」という動機の、その単純さが、なんだか好きなのだ。考えてみればどうして自宅に赤の他人を置いてはいけないのか。どうして人が人を拾ってはいけないのか。 もちろん人は犬やじゃない、と彼女は言う。人のほうがここにいる時間がずっ

    愛がなくては住むところもない - 傘をひらいて、空を
    gattolibero
    gattolibero 2017/02/28
    「疑似家族」あるいは「家族風」みたいなちいさなコミュニティも市民権が得られる社会になってほしい。
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