注目すべきは、経常利益が2007年12月期から2期連続で2倍に増えている点である。多くの小売りが利益を減らしている状況において、成城石井がここまで利益を増加させることができたのはなぜなのか。 顧客の購入点数は減少する一方で、購入金額が増加 それは、この連載の初回でも解説した「品質フォーカス層」に分類される消費者に訴求してきたからにほかならない。 品質フォーカス層の消費者は、価格よりも製品やサービスの質の高さに関心を抱き、価格が高くても質の良い製品やサービスに購買意欲を示す。 この品質フォーカス層に属する消費者は、現在の不況で人数は減少しているものの、依然として健在だ。彼らを呼び寄せることができているから、成城石井の利益は大幅に伸びている。成城石井・営業本部商品部の服部吉宏部長は次のように説明する。 「来店するお客様の人数は横ばいで推移し、一人ひとりのお客様が購入する商品の点数は減っている。