排泄は全生物に共通の行為です。人間はもとより、動物も植物も、菌でさえも、同様に排泄を行います。 排泄の歴史は生物の歴史にそのまま重なります。排泄物には食べ物のかすや細菌などが残っているので、その内容を調べれば「落とし主」が何を食べ、どのような生活をし、どのような病気にかかったか、というのが分かります。 このように、排泄物からその生物の生活状況を調べる学問を「糞便学(スカトロジーscatology)」と言い、考古学や文化人類学を学ぶ者は、多かれ少なかれ、何かしらの形でこの糞便学を学ぶことになると言います。 トイレは人間の最も基本的な「行い」の場です。当然ながら、文明の発祥以前から「それ」に似た場所、あるいはその場所そのものは存在し、また使われてきました。 「文明」というものが明確な形を取って表れてきた6000年前には、既に水洗型のトイレが使われていたとも言われています。これは単に「川