式典の様子。総理府大臣官房『明治百年記念行事等記録』より 中央円台に立つ佐藤栄作首相は、「天皇陛下万歳」ではなく「日本国万歳」を三唱した。そのため、金屏風を背にした昭和天皇と香淳皇后も、約9000名の参列者と一緒に万歳している。天皇が絶対的な存在だった、戦前の式典ではありえなかった光景だ。 「日本国万歳」ではなく「天皇陛下万歳」の声が ただ参列者のなかには、この万歳に不満を持つものもいたらしい。式典の最後、天皇・皇后が退出するときに、二階正面とおぼしき参列者席の一隅から「天皇陛下万歳」の声が沸き起こったのである。