「高齢者就業が拡大すると年金受け取りが大きく改善する」と示した厚労省。ただ、一般にはあまり話題になっていない 撮影/今井康一 『週刊東洋経済』毎週月曜発行 現在発売中の特集は「得する年金」 定価690円(税込) 6月3日に厚生労働省が公表した公的年金の財政検証の結果は、衝撃的な内容だった。財政検証は5年に1度行われ、様々なケースを想定しながら将来受け取れる年金水準を試算するもの。今回の検証では、労働参加率や運用利回り、実質賃金の伸びなど、楽観シナリオから悲観シナリオまで8つのケースで試算した結果が示された。 世間の注目が集まったのは、低成長な経済を前提とした3つのケース。この場合、将来給付水準(所得代替率)は、政府が下限と定める5割を下回った。所得代替率とは現役世代の手取り賃金に対する年金給付の割合のことで、2014年度見込みは62.7%だ。ただし、一定の経済成長や労働参加率が確保