面接など採用選考の解禁を4月から8月へと遅らせたことで混乱を招き、「学生、大学、企業の3方が損をした状態」(榊原定征経団連会長)となった今年の新卒採用。経団連は来年は6月解禁に前倒しするなど朝令暮改の感は拭えない。あおりを受けて希望の企業に就職できなかった学生も多く、求人情報企業の間では、そうした不本意な新入社員が少なからず来年再び本命企業に挑むリベンジ転職に回るとの観測が飛び始めた。一方、人材を確保できなかった企業はバツイチの転職受け入れに動き始めている。(石川有紀) 採用長期化 「今年の新卒採用は学生にとっても、企業にとっても納得がいかない結果を招いたのでは」 11月、大阪市内で開かれた学生対象の中小企業の合同企業説明会で、鉄鋼関連商社の人事担当者は、こう漏らした。 平成28年春卒業の大学生・大学院生の就活は今年8月から10月までの2カ月間で大企業が一斉に内定を出した。このため中小企業