これでようやく念願の4機の衛星が軌道上に出そろったわけですが、 その衛星がもたらすデータ解析は相当大変でしょう。 例えばミッションこそ違いますが、推定の分解能スペックがIGSと似ていて、 名前もズバリMars Reconnaissance Orbiter (火星偵察探査機)と付いた NASAの火星探査機MROを例にすると、MROが撮影する1枚の画像は 200平方kmの領域をカバーしています。火星全体の表面積は、 およそ1億4500万平方kmなので、このカメラで火星全体を写すとなると、 写真の枚数は72万5000枚という膨大な枚数になります。 このデータ量は1枚を10分掛けて調べるとすると、一人の技術者が朝昼晩休まず 調べたとしても14年間も掛かる程の量になります。 MROは火星を偵察対象としていますが、IGSが偵察対象としている 地球の表面積は火星の約4倍なので、すべて撮影するとデータ量も