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午前九時、カランコロンと鐘が鳴るのを待ちかねたように、買い物客がお目当てのブースへ急ぐ。毎週土曜日、名古屋市中心部の都市公園「オアシス２１」に開設される「オーガニックファーマーズ朝市村」の開店だ＝写真。

志摩市磯部町のテーマパーク「志摩スペイン村」は、敷地内のレストランで提供するウツボの料理をテーマにした動画を、投稿サイト「ユーチューブ」の公式チャンネルで公開した。市周辺の海ではウツボが増え生態系が変化していると指摘され、料理のおいしさを伝えつつ環境問題への気付きを与えている。（阿部竹虎） ウツボの料理を出すのは、本格的なスペイン料理を扱うレストラン「アルハンブラ」。「伊勢志摩産ウツボのアヒージョ」と銘打ち、細かく刻んだウツボをブナシメジとともにガーリックオイルで煮込んでいる。パンが付いて税込み千二百三十円。今年二月ごろから提供し、想定を上回る売れ行きという。 市内の水産関係者によると、ウツボは従来の好物だったタコだけでなく伊勢エビも食べるようになったとの指摘がある。市周辺では海藻類が減る「磯焼け」も課題となっており、海産物となる生物を守ろうと、市の事業ではウツボが駆除対象になった。志摩ス

岐阜県立加茂農林高校（美濃加茂市）の生徒たちが、市の花アジサイや市の色コバルトブルーをイメージした焼き菓子「アジサイマカロン」を商品開発した。新たな手土産にと、天然着色料を使った試作品とレシピが完成し、市内の洋菓子店の協力を得て一般販売にこぎ着けた。 取り組みは2019年度に始まった。食品科学科の生徒たちが授業の課題研究の一環として、商品開発に挑んだ。当初はアジサイ自体を素材にと考えたが、毒があるとわかり、アジサイと同じアントシアニンを多く含み、青い天然着色料がつくれる植物を原材料に使うことにした。それが、東南アジア原産の豆科の植物「バタフライピー」だ。 栽培には別の科の生徒にも関わってもらった。19年度は森林科学科の生徒が試験栽培を担った。20年度からは規模を拡大するため生産科学科の生徒も加わり、校内の農園で栽培した。 菓子づくりではまず、アジサイのように色の変化を楽しめる青色のかき氷シ

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冬に伊那谷の天竜川で捕られるザザムシや、イナゴなど、県内に根強く残る昆虫食。世界の食料危機を解決する鍵としての期待も高まっている。ただ、県内では近年、ザザムシやイナゴが気候変動の影響で捕れない年が続き、供給が追いついていない状況にある。現状について本紙県版キャラクターの「おしえてほっしー」が「おやっきー博士」に聞きました。 Ｑ　どうして昆虫食が注目されているの？　教えて！　教えて！ Ａ　おやおや、ほっしーは流行に敏感だね。世界的に人口が増加し、食料不足が叫ばれる中、二〇一三年に国連食糧農業機関（ＦＡＯ）が肉食の代わりとして昆虫食を推奨する報告書を発表したんだ。虫は牛や豚よりも飼...

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遺伝子を切り貼りして生物の特徴を変えるゲノム編集の技術で作り出した食品が、国内で初めて承認された。 血圧を下げる成分を通常の５倍ほど含むよう改良したトマトだ。筑波大発のベンチャー企業が開発した。 流通時期は決まっていないが、店頭に並ぶ日は遠からず訪れる。国内では他にも、肉厚のマダイ、食中毒の原…

ゲノム編集食品の流通が政府に了承された。新たな特質を付与された農作物などが、やがて店頭に並ぶ。だが今のところ、安全審査も表示の義務もない。安心して口にすることができるだろうか。 ゲノム編集とは、外から遺伝子を挿入しその生物にはなかった機能を加えたり、特定の遺伝子を切り取って遺伝的性質に変化を与えたりすることをいう。遺伝子組み換えの精度を高めた技術である。

日本三大和牛の近江牛を肥育する滋賀県内の農家や卸業者が、新型コロナウイルスの影響を受け、窮地に立たされている。国内外の飲食店が休業し、需要が激減したためだ。枝肉の販売価格が出荷までのコストを大きく下回り、廃業を考える農家も出てきた。国や自治体は補助制度を設けるが、助成の条件は厳しく、農家らは「このままでは近江牛生産の存続は難しい」と危機感を募らせている。 近江八幡市と東近江市にまたがる大中の湖干拓地は、肉用牛約６千頭が肥育される一大産地。約４８０頭を飼育する近江八幡市の鈴木牧場では毎月、生後約２年半の５頭前後を出荷する。鈴木睦雄さん（６５）は「例年、企業の歓送迎会などで飲食店からの需要が高まる春は、枝肉の価格が上がるが、今年は下がった。赤字が続き、経営が厳しい」と話す。 ＪＡグリーン近江畜産事業部によると、近江牛１キロ当たりの取引価格は平均２６００円前後。近年は外国人観光客が増え、飲食店の

海なき滋賀に生じる「姉川クラゲ」、消える食習慣　復活に挑み試食会、繁殖過程に謎 2020年2月20日 18:24 滋賀県の姉川流域でかつて食されていたラン藻の一種「姉川クラゲ」を使った食品の商品化を目指す龍谷大農学部のプロジェクトチームが、姉川クラゲを練り込んだそばの試作品を開発した。１８日には関係者を招いた試食会があり、チームは「地域資源の価値を再発見しながら、新たな特産品を生み出していきたい」とし、商品化に向けて手応えをつかんだ。 姉川クラゲは、国内や中国の湿った場所などに自生し、一般にイシクラゲと呼ばれる。コレステロール濃度の上昇を抑制するなどの効果があるとされ、伊吹山麓の姉川流域ではみそ汁や酢の物に入れて食べられていた。 消えつつある食文化をよみがえらせようと、龍谷大学農学部の教員や４学科の学生らが昨年度にチームを立ち上げ、研究を進めてきた。地元名物の伊吹そばと、つなぎに海藻を使う