「日本では石油(原油)消費量のほぼすべてを輸入に頼っている」との事実は誰でも世間一般レベルの常識として理解している。しかしその一方で、ごく少量ながら日本国内でも原油は産出していることを知る人はさほど多くない。その実情を資源エネルギー庁が2022年6月に発表したエネルギー白書から確認する。 日本国内油田から産出される原油の産出量推移が次のグラフ。ややぶれが大きいが、1960年以降の限りで見れば、年間約50万キロリットルの原油を産出していることになる。直近の2020年度では51.3万キロリットル。 ↑ 国内生産原油量(千キロリットル) 直近の2020年度における産出量51.3万キロリットルは、表現を変えれば5億1300万リットル。仮に自動車1台あたりの満タン量を50リットル、原油から精製されるガソリンの割合を3割とすると約308万台の自動車を満タンにさせるだけのガソリンが供給できることになる(