大ヒットが続く国内のアニメーション映画。いま注目されているのが、戦時中の広島を舞台にひとりの若い女性と家族の日常を描いた「この世界の片隅に」です。派手さはない映画ですが、公開開始から1か月間の観客動員数はおよそ44万人。上映される映画館も当初の計画から大幅に増えるヒット作となっています。当初は製作資金の調達もままならなかった、この映画。支えたのは、インターネットを使った一般市民からの“小口資金”でした。(広島放送局 野中夕加記者) アニメ映画「この世界の片隅に」は、広島市出身の漫画家こうの史代さんの漫画が原作で、片渕須直監督が6年をかけて製作しました。太平洋戦争末期、広島市で育った18歳の主人公の女性が結婚を機に軍港の街、呉で新しい暮らしをスタートするところから始まります。 幾度となく激しい空襲に襲われ、次第に生活が厳しくなっても、ひたむきに生きる姿がさまざまな世代から共感を集め、11月