「電気で絵を描いたって誰も褒めてくれないぞ」凄腕の“アニメ職人”が明かした、2人の巨匠の真実(9月号より続く後編) 本田 思えば「動く絵」の面白さに気付いた最初のきっかけが『未来少年コナン』だったんです。小学校5年生のとき、テレビでたまたま見ました。『アルプスの少女ハイジ』のようなキャラクターなのに、おもしろい動きをさせていて、しかも最終戦争後の世界を描いた不思議なSFだった。足の指で物をつまんだりするコナンの動きが面白くてね。 今思えば、初めて見た宮﨑作品です。『ルパン三世 カリオストロの城』も大好きでした。やっぱりルパンのコミカルなアクションにハマった。それまでのアニメ表現とはまったく違いました。当時はノートに漫画を模写したりしていた“漫画少年”でしたが、そこから一気に“アニメっ子”になりました。 本田雄氏 ©文藝春秋 ジブリ作品への思い入れはやはり強いです。小学生時代から宮﨑アニメに