政治家や役人が使う言葉の異常さ・奇妙さは、日々SNSで指摘され、ネタにされている。中には「ご飯論法」のように、公式の答弁としての基礎を破壊してしまうような重大性を抱えている言葉の使い方さえある。 本書はイアン・アーシーという、一見すると「ずいぶん怪しい名前」(p.3)だが、「正真正銘のへんな外人」(同前)として実在するカナダのフリー翻訳家が書いた、日本の政界にはびこる特殊な単語・会話を取り上げて、それを理解し、うまく使いこなすための本である。練習問題までちゃんとついているワークブックなのだ。 ニッポン政界語読本【会話編】 作者:イアン・アーシー 太郎次郎社エディタス Amazon ニッポン政界語読本【単語編】 作者:イアン・アーシー 太郎次郎社エディタス Amazon ぼくが読んで「なるほど」と思ったのは、『単語編』の冒頭にある「原則として」と「総合的に」である。 まず「原則として」。東京