明治期の伊勢神宮が描かれた大量の版木が、23日までに京都市中京区の出版社、芸艸堂(うんそうどう)の蔵から発見された。神宮司庁が発行した「神都(しんと)名勝誌(めいしょうし)」を印刷した版木で、富岡鉄斎、川端玉章ら著名な画家が描き、熟練の職人が彫った絵が鮮明に残っている。 発見されたのは、縦約22センチ、横約45センチの版木約250枚で、両面にびっしりと絵や文字が彫られている。「神都名勝誌」は明治28年の発行で、伊勢神宮の由来や歴史、名産の赤福などとともに、新しい交通機関の鉄道や船の路線も紹介。伊勢旅行案内の決定版として人々に親しまれた。 「伊勢神宮と神々の美術」展が7月14日から、東京・上野の東京国立博物館平成館で開催されるが、続いて9月19日から大阪歴史博物館で開かれる同展で、新発見の版木類が初公開される予定。